伝統を継ぐ醸造蔵から知る、食の未来
「フードスコーレ」で、愛知県の常滑、武豊、碧南、岡崎へ行ってきます。「愛知醸造ツアー第2弾」として、3月25日、26日の2日間で企画しますので、ご興味ある方はフードスコーレと一緒に旅しましょう。
フードスコーレの企画する旅なので、そこはほかのツアー企画とは視点を変えたものにしたいな、と思っています。
「発酵ってすごい!」 とか「これ、おいしいね」とか、そういう気持ちを旅先で感じるのも良いけれど、それが旅の一番の目的ではありません。
一番の目的は、この国に長く続く醸造蔵が「ある」ということ、そこで商品を造り続けている杜氏さんや蔵人さんが「いる」ということ。それを確かめにいくことが、旅の最大の目的です。
そこに醸造蔵があって、働く人がいるなんて当たり前じゃないか! と思われるかもしれません。でも、それ本当に自分自身で感じられていますか?
今回訪ねる醸造蔵は、お酒の「澤田酒造」さん、たまり醤油や豆味噌の「中定商店」さん、八丁味噌の「カクキュー」さんと「まるや八丁味噌」さん。
いわゆる大手のメーカーさんに比べると、生産量は少量になります。全国どこでも流通しているような商品でもありません。大手メーカーの商品と蔵元さんの商品を並べて、「こっちの商品は、手がかかっているね」とか、そういうことを話しても、あまりおもしろくないなと。
そうじゃなくて、蔵元さんのつくられる商品には、大手メーカーさんのそれとは違う形で、人の手や知恵や技術がたくさん入っているんだと知ることが、おもしろい。だからもっと値段を上げても良いのだけれど、そうはしないで、気軽にたのしんでもらえる価格で販売する蔵元さんの想いに触れる。そのことがおもしろい。
そうやって、商品の後ろに「人」を感じることができるのが、蔵元さんでつくられているものの魅力なんだと、ぼくなんかは思うわけです。その魅力って、SNSとかで情報に触れるだけじゃ気づけないんですよ。生産現場の空気を吸って、人の営みを感じて、実際に食べてみて。そうやって肌で感じないと、商品と一緒に「人」を感じるのはむずかしい。でもむずかしいからこそ、魅力を発見できたそのときから、醤油や味噌やお酒との付き合い方が、一気におもしろくなってきますよね。
やっぱりね、現場に会いに行かないとならないですよ。でも、蔵の現場にお邪魔する機会って、あまりないじゃないですか。現場もお忙しいでしょうし、よそ者がふらっと訪ねたところで、現場で何をどう見たらいいの?ということになりかねない。
その辺は、ぼくらも気をつけながら、現場のみなさんと事前に会話を増やして、丁寧に準備をしていきます。それがフードスコーレの役割。もちろん、当日はコーディネイトしながら、いっしょに旅するみなさんと学び合いたいと思っています。
ちいさく強く続けている蔵元さんに対して、最初にぼくらができることって、「蔵のことを意識する」ということだと思うんです。そこの商品を買う、というのは当然よいことだと思います。でもその前に、まずは「意識する」ということですよね。
今回訪れる4か所の醸造蔵だけじゃなく、同じように丁寧に自社の商品を守り続けてきた蔵元さんは、全国各地にたくさんあります。これを読んでくれているみなさんの地元や、お住まいの地域にも、あるかもしれませんよ。その蔵には、長く伝統を守ってきた、杜氏さんや蔵人さんたちがいるんですよ。人の営みや、そこから生まれる文化が「ある」んです。ポンポンと機械的に商品が生まれているわけじゃないんですよね。ぼくもまだまだそうしたことを意識できていないです。だから、いっしょに「意識する」ことから始めてみませんか?
そして、こうも言えるなと。100年以上も口にされ続ける伝統的な醤油、お酒、味噌。それだけじゃない、みりんやお酢なども。それらを令和のこの時代まで、丁寧に守り続けてきた人たちの凄さ。これを実感させてくれる蔵元さん。それこそ、サステイナブルという思考の中で大事な要素ですよね。
伝統的な調味料のこと、そこに関わる人たちのこと、知らないなんて本当にもったいない! そう思います。
「愛知醸造ツアー」について、くわしくは、下のリンク先をご覧ください。フードスコーレのウェブサイトに飛びます。みなさんのご参加、お待ちしています!
昨年5月に、第一弾の愛知醸造ツアーに行ってきました。そのときの様子は、こちらのnoteに書いています。よかったらご覧ください。
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