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中年の野心と筋肉

スマホでYahooニュースやSmartNewsを見ていると、ミッドライフクライシスや男性更年期障害の記事が頻繁に出てきます。たぶん、私がそんな記事ばかり読んでいるからでしょう。

中年になって思い知るのは体力の低下です。体力の低下は気力の低下にダイレクトに繋がっているので、体力の低下を放置してしまったら再起不能です。あっという間に気力のフレイルになります。フレイルというのは、健康と寝たきりの中間ぐらいの状態です。

私は46歳ぐらいの時に体力の低下を一番感じました。いま思えば若くして男性更年期障害だったんじゃなかろうかというぐらい体力が低下していました。

朝8時ぐらいから撮影していると、夕方17時ぐらいには立っていられないぐらいに疲れてるんです。椅子をリクライニングさせて仮眠を取らないと撮影が続けられないほどです。緊張するプレゼンではホットフラッシュみたいに体が熱くなったり、血圧が低下して気絶しそうになったり。知人の映画の舞台挨拶で30分も立っている自信がなくて、椅子を用意してもらったこともありました。

その頃は一切運動をせずに毎日酒を飲んでいました。しかもそれなりに大量の酒を飲んでいた気がします。そういう意味では、それなりに体力があったから無理をしてしまっていたんでしょう。体力51・無理49だったのが、46歳ぐらいで体力49・無理51に逆転したんだと思います。

そこから少しずつ運動を始めて6年経ち、体力65・無理35ぐらいまで持ってこれた気がします。少々無理をしても疲れなくなりました。

全く運動をしない状態から最初に始めた運動はプールです。市民プールの1つのコースが水中ウォーキングのコースでした。高齢者の方々がゆっくり歩いている中に入って歩いてました。歩くのは距離にしても200メートルぐらいです。それでもプールから上がると気絶しそうなぐらいに疲れていました。全く運動をしてない中年はそのレベルです。

そこから少しずつ泳ぐようにして、足の筋肉が付いてきたら歩くようにして、いまでは筋トレまで行き着きました。ほぼリハビリですね。

こういうのは始める年齢が若ければ若いほど、短い期間で体力が戻るんだと思います。私は自分の経験から40代の人たちに「今から運動や筋トレをした方がいいですよ」と言うんですが、40代だと体力が低下している実感がないから続かないんですよね。「毎日1時間でもいいから英語の勉強をした方がいいですよ」と言われても、必要に迫られないからやらないのと同じです。

そしてここからが本題なのですが、中年以降になると体力がある人同士じゃないと、大きな目標には向かっていけないという実感があります。

大きな目標に向かっていくには充実した気力と体力が必要です。気力は体力から湧き上がってくるものなので、体力をつけないと気力も湧きません。だから体力は本当に大事なんです。

特に私がやっている映像なんていうのは、体力がないと本当に無理です。不規則なことも多いですし、ロケなどで長期でどこかに行かなければならない事もたくさんあります。ちょっと悪い言い方で言うと「野蛮な業界」なんです。

そして中年まで映像業界にいる人は、その前に振り落とされなかった人たちです。たくさんの人が20代や30代で振り落とされ、40代以上で映像業界にいるのは猛者たちです。圧倒的に健康な人や、強靭な精神力、人を人とも思わない鈍感力、あるいは何度も精神を病んでそこから這い上がってきた人などなど。まあ、そこにいるのは勇者ばかりが集まった「アベンジャーズ」ではありません。どちらかと言えば、全員どこかがおかしい「アダムスファミリー」ですけどね。

そして、中年にも関わらず野心を持っている人は本当に少なくなります。多くの人は体力の低下から来る気力の低下だと思います。中年になると野心がある中年がグッと減るので、身の回りにいる、目の前にいる野心家と組むべきです。中年になるともはや運命の出会いを探している時間はないんです。

中年になって声がかからなくなるのは、「あの人は我々のペースに付いて来れないかも知れない」と思われている可能性があるからです。そう思われないためにも、日々の運動は本当に大切です。運動は自分の健康のためだけではなく、大きな夢を追いかけるためにも必要なんです。一緒に連れて行って欲しいのに「オマエはここにいろ!」と言われないようにです。

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Xや無料noteでは言えない事。毎記事2000文字以上。月に5〜8回投稿。多い時は10回以上。映画監督、映像ディレクターの仕事について。フリーランスの生き抜き方をフリーランス歴20年以上の経験から。「中年の危機」に悶絶している様子をリアルタイムに報告。子供を2人育てる父親の視点と哲学。世の中に対する日々の雑感。親友の画家、石田徹也について。などなどを書いています。

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