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平林映画

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平林勇の映画つくり日記
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記事一覧

一人の作家につき一つの作風論

一人の作家につき一つの作風論

いま、映画のシナリオ開発でいろいろと葛藤しています。一番葛藤しているのは「面白さ」についてです。釜山に行った時にも多くの人が言ってたのは、「どんなトップスターが出ててもストーリーが面白くなければヒットしない」という事です。

まあそうなんでしょうが、私はハラハラドキドキするような、最初から最後まで目が離せないようなサスペンスドラマを面白いとは思わないんです。それが世界的に大ヒットしてようが面白いと

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釜山国際映画祭での再会

釜山国際映画祭での再会

釜山国際映画祭のマーケットに参加していたと思ったら、もう10月半ばじゃないですか。あっという間ですね。人生を振り返ったり、自分を見つめ直す時間もありません。自分を見つめ直すと病みますけどね。

釜山国際映画祭では本当にたくさんの人に会いました。海外映画祭の良いところは、海外の映画制作者と会えることもありますが、日本人同士がより緊密に出会える事かも知れません。私も感動的な再会がいくつもありました。

noteを読んでますとよく言われます

noteを読んでますとよく言われます

私のnoteがどんな属性の方に読まれているのかあまり分からないのですが、映画関連のイベントに行くたびに数人の方から「いつもnote読んでます」と言って頂きます。しかも、わざわざ直々にご挨拶をしに来てくれるのです。だから、映画関係の方々に読んで頂いている事が分かります。

にも関わらず、私のnoteは映画のことがあまり書かれていません。だから本当に申し訳ない気持ちになるのです。私は職業として映画監督

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映画祭に決まらない

映画祭に決まらない

私のところには映画祭に関するいろいろな相談が来ます。「映画祭に参加するんですが何を準備したらいいんですか?」とか「どの映画祭に出せばいいか分からないので教えてください。」とか「映画祭にエントリーしてもなかなか決まらないんです。」などなどです。

映画祭のエントリーに関する相談はとても多かったので、詳しくnoteの記事として残しておきました。いろいろ検索していたらこの記事にたどり着きましたと言われる

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ショートフィルムは聖域

ショートフィルムは聖域

先日、パップコーンの松谷さんと食事をしました。まあ、飲みに行ったんですけどね。今度、松谷さんがショートフィルムを作るんですが、その相談的な飲み会だったんです。

そこで松谷さんが「ショートフィルムは聖域」と言っていてすごく驚きました。私は20年ぐらいショートフィルムを作って来ましたが、「ショートフィルムは聖域」という視点が全く無かったからです。

「ショートフィルムは聖域」というのはどういう事かと

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映画祭日記(2011年サンダンス映画祭)

映画祭日記(2011年サンダンス映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

一日目17時頃発のANAサンフランシスコ経由でソルトレイクシティへ。ソルトレイクシティ空港で待ち合わせるはずの作曲家の渡邊さんが、乗り継ぎで飲み過ぎて寝てしまい合流できず。空港からシャトル便みたいなのでサンダンス映画祭をやっているパークシティに。

もうすごい雪。外で寝たら凍死すると思う。夜遅く渡邊さんがホテルに来たので、酒の調達に行ったのだが、店もな

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平林勇の映画歴

平林勇の映画歴

このページは、私の映画歴を日本語でまとめたものになります。英語でまとめたものは別にあるんですが、単純なカタログのようなものなので、このページではもう少し制作エピソードや映画祭に行ったことなどを織り交ぜてまとめてあります。ここにある作品は全て「作品」として作ったものでして、商業的な意向が全く入ってないものだけになります。それぞれの作品紹介の一番最後に、実際に見ることが出来る作品のリンクを貼り付けてあ

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映画祭日記(2011年ベネチア国際映画祭)

映画祭日記(2011年ベネチア国際映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

1日目ついにベネチア映画祭へ。

そして念願のA380。フランクフルト経由のボーイングA380をあえて狙ったと言ってもいい。外観は巨大で格好良かった。中に入ったら、意外と普通だった。ボーイング747とそれほど変わらない印象。シートが薄くなっていて、機内が明るい印象。分厚いシートで重苦しい雰囲気のまま12時間耐えるというのもキライじゃないが、この明るさは

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映画祭日記(2008年ロカルノ国際映画祭)

映画祭日記(2008年ロカルノ国際映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

1日目成田からの飛行機のチケットが取れなかったため、関空からの出発。いや、成田からのチケットはあったのだが、30万円ぐらいしたのだ。関空からシンガポール経由でチューリッヒに入った方が10万円近く安い。なのだが、シンガポールってのはヨーロッパに対して、日本から横に移動しただけなので、シンガポールに7時間かけて行っても、ヨーロッパには近づいておらず、さらに

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映画祭日記(2006年ニッポン・コネクション)

映画祭日記(2006年ニッポン・コネクション)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

1日目2006年4月19日、ドイツのフランクフルトで開催されるNIPPON CONNECITIONに、openArtのプログラムとして招待され、飛行機に乗った。12時間も飛行機に乗るという事で、読む本を買い込んだり、iPodの60Gのヤツを買ったりしていた。iPodには2500曲分の音楽データと、お笑い番組の映像データも入れた。空港に着き、まずはドイツ

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映画祭日記(2007年グラナダ国際短編映画祭)

映画祭日記(2007年グラナダ国際短編映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

今回、なぜかグラナダに行った。今まで、映画祭に招待されても、ことごとく仕事を理由に断ってきたのに。2月のクレルモンフェランでさえ行かなかったのに、グラナダには行った。日本からスペインへの直行便が無いので、まずはロンドンに入ってから、そこからライアンエアという、ヨーロッパの格安航空会社でグラナダ入り。グラナダには夜着いたのだが、すぐに映画祭の会場に向かっ

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映画祭日記(2004年釜山アジア短編映画祭)

映画祭日記(2004年釜山アジア短編映画祭)

※当時書いた日記をそのまま転載しています。

1日目5月8日午前、成田空港に行くスタッフが続々と集合。参加者は写真の通り。驚きの大人数での観戦ツアーになった。

夕方4時頃、釜山の空港に到着。到着口を出ると「PARADISE CAFE」と書かれたボードを持つ青年がいた。しかし、すぐ近くにツアーのガイドさんらしき人もいる。櫻井プロデューサーが携帯電話を借りに行っている間、変な緊張感に包まれた。ボラン

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制作途中のたわごと

制作途中のたわごと

たまに「後半面白くなるから、第4話までは我慢して見て下さい。」と言われるドラマがあります。それが第3話だったり第7話だったりすることもあります。そんな時、「恵まれたドラマだな」と思います。無名の脚本家が書いて無名の俳優が出ていたら、第1話がつまらなかった時点で終わりだからです。

もちろん、地上波やNetflixでドラマ化されている時点で、無名のスタッフとキャストが作っている可能性は低く、地上波や

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最高だった札幌一人旅

最高だった札幌一人旅

札幌国際短編映画祭での作品の上映に立ち会うという大義名分で、札幌に一人旅に行ってきました。

行きは北海道新幹線・はやぶさ13号のグランクラスに乗りました。長距離のグランクラスでの旅は夢でもありました。まだ東京から函館までしか通ってませんが、東京から札幌まで繋がったら、そこそこ長い時間の新幹線の旅になるので、飛行機で海外に行くようなワクワク感がさらに増す気がしています。

グランクラスは満席で、中

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