部活の匂い
私は、小学2年から28歳の今まで、ずっとバスケットボールを続けてきた。決して上手いわけではなく、せいぜい地区大会レベルだ。
しかし思い出は様々ある。特に色濃く思い出すのは、やはり高校時代の部活。
一生懸命走り、本気で勝ちにこだわり、チームメイトとの熱量の差に衝突したりと、それなりに青春らしいことを経験しました。
早朝には誰もいない体育館で1人でシューティング。部活の時とはまた違う匂い。朝練の匂い。
部活の時間になると夕練の匂いになるから不思議だ。雨の日と梅雨の期間でもまた違うから不思議だった。
匂いと共によみがえる記憶。
シューズのゴムの匂い
ウェアの洗濯された匂い
男どもの汗臭いニオイ
女の子たちのシャンプーの匂い
いろんな匂いが入り混じった体育館の匂いがとても好きだった。
今でも体育館で深呼吸すると自分が最も熱中し頑張れた頃を思い出す。
よく自分探しなどと旅に出る人もいるが、そんなことしなくても、自分が歩んだ道を振り返ると自分とはどんな人間なのか見えてきたりする。
体育館が私にとってのそれだ。
匂いとは、その時の高ぶった気持ちごと思い出させてくれるメモリーカードみたいだなと、コーヒーの香りとともに。