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その時あなたは何してた?: 2014年 STAP細胞論文に捏造や改ざん

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米国に比べて日本は研究者を取り巻く環境が決して恵まれていないという事実を突きつけらる大きな事件が2014年に起こりました。覚えていますか?

2014年、世間は、山中先生のノーベル賞に続く大発見だ、しかも可愛いリケジョがとんでもない発見を、と大騒ぎになりました。

この年の新語流行語大賞は2件でした。
1件目は「ダメよ〜ダメダメ」受賞者は、日本エレキテル連合(中野聡子と橋本小雪)。
2件目は「集団的自衛権」受賞者が辞退したため誰が受賞者だったのかは不明でした。

主な出来事は、御嶽山の噴火、富岡製糸場が世界文化遺産に登録、消費税8%スタート、アフリカを中心にエボラ出血熱感染拡大、ソチ五輪で羽生結弦が金メダル獲得、ウクライナ危機、イスラム国が勢力拡大、広島で土砂災害74人死亡などでした。

2014年「STAP細胞論文に捏造や改ざん」

小保方さんらが科学誌『ネイチャー』に発表した論文において「研究不正」があったという疑惑は、論文発表時のノーベル賞級の発見だとか「リケジョの星」だと持ち上げていたマスコミ報道を一変させました。

研究不正とは、存在しないデータを作ってしまう「捏造」データを不適切に加工する「改ざん」他人のデータなどを不適切に使用する「盗用」など、研究者が行ってはならない行為です。

また、他の研究者らが『ネイチャー』のSTAP細胞論文に書いてある通りの実験を行っても同じ結果を得られない、つまり論文結果に「再現性」がないことも大きな問題になりました。

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小保方さんの略歴を示しました。
リケジョとして期待されていた研究者だったことが分かるすばらしい経歴だと思います。

しかし、研究者の身分は、不安定で客員研究員といっても無給期間があったり、ユニットリーダーといっても研究室を維持していくためには、短期間に成果を出さなくてはならないプレッシャーがあったり、いつその地位を失うかもしれない不安、そういった研究者を取り巻く環境にも不正生む温床があることが報道されました。

日本学術会議は、2014年7月25日、声明の中で小保方晴子を加えた再現実験開始と懲戒の先送りに対して次のとおり不正の解明と関係者の責任を明確にすることを要望しました。

「この再現実験の帰趨にかかわらず、理化学研究所は保存されている関係試料を速やかに調査し、取り下げられた2つの論文にどれだけの不正が含まれていたかを明らかにするべきだ

「そこで認定された研究不正に応じて、関係者に対する処分を下すことは、この事案における関係者の責任を曖昧にしないという意味で重要である」

また、山中伸弥さんは、2014年12月22日、「この騒動から学んだことは、生データの保存の大切さだ」、「個人任せにするのではなく、組織として未然に防ぐ体制を敷いていくしかない。」と述べました。

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※日本学術会議は、菅首相が実績十分の6名を任命しなかったことで社会的に注目され、大きな反応がありました。菅首相は、社会のこの反応を引き出すためにあえて任命拒否を実績十分の6名に対してやったのではないかとも言われています。

エリート意識集団ではなく、高齢研究者の名誉職でもなく、日本学術学会の主要メンバーは、若い研究者がいかにして研究に集中できるようにするのかに知恵を絞り、「個人任せにするのではなく、組織として未然に防ぐ体制を敷いていくしかない。」という山中教授の組織論に反応できる集団であってほしいなと思うのはじーじだけなのでしょうか?
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2014年12月25日、理化学研究所は、研究論文に関する、調査報告書を公表し、次のように結論づけました。

・STAP幹細胞及びFI幹細胞は、ES細胞由来である。
・STAP細胞やSTAP幹細胞由来のキメラは、ES細胞由来である可能性が高い。
・STAP細胞から作製されたテラトーマは、ES細胞に由来する可能性が高い。
・アーティクル論文中の細胞増殖曲線、およびDNAメチル化解析のデータの捏造を認定する。

天才研究者を自殺に追い込んだ!

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笹井氏は、京都大学医学部を卒業後、36歳という若さで同大学の教授に抜擢され、日本の科学界を牽引してきた天才研究者でした。

山中教授が、iPS細胞を作成する前から笹井教授は、再生医療の第一人者としてトップを走り続けていました。

研究者として脚光を浴びてきたのは、山中教授ではなく笹井教授だったそうです。笹井教授は、世界で初めてES細胞による網膜の立体生成を成功させるなど、国内では向かうところ敵なしでした。

ところが、iPS細胞の発表を機に形勢は一気に逆転し、iPS細胞研究にばかり予算が集まる状況に、自分の研究が縮小していくのではないかと危惧していたそうです。天才研究者も不安に追い込む学術界。

そんな状況の中で、笹井さんは小保方さんのSTAP細胞をブチ上げました。

1月の会見では、iPS細胞を牛、STAP細胞を魔法使いに例えたイラストを配布するなど、その優位性を執拗に主張していました。

いかに山中教授を意識していたのかが分かります。

世界で初めてES細胞による網膜の分化誘導や立体的な網膜の生成に成功し、多能性幹細胞の大量培養法もES細胞から視床下部前駆細胞の分化誘導や脳下垂体の立体的な形成も成功させてきた実績をもち、日本の数々の科学賞や医学賞を受賞してきた天才研究者をもってしても、不安に駆り立てる研究者の環境には改善余地があったのではないでしょうか?

本当に天才を失った原因を総括できているのでしょうか?

じーじは、名プレーヤー必ずしも名管理者にあらず、つまり研究の世界にも病院経営のように組織体制や統制手続きを設計できるプロの経営者が活躍する場があれば、日本の財産である天才研究者を失うようなことはなかったのではないかと思えるのですが。。。

皆さんは、どんな風に感じますか?

「遅れた国」の自覚をもって、首相は、言葉どおり既得権益と縦割り行政にメスを入れてください。

そうしないと日本の競争力はますます低下してしまうのではないでしょうか?

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後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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