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【じーじは見た!】 前編:サイゼリヤの創業者 正垣泰彦さん

先日「じーじのボヤキ」でサイゼリヤのことを記事にしました。

じーじは、今から20年ほど前に創業者で今は代表取締役会長の正垣泰彦さんの講演を聞いたことがありました。

そしてその時、ご本人に質問する機会があり本人から回答してもらったのですが、強烈な印象が残りました。そんな正垣泰彦さんを紹介します。

✅カリスマ経営者は同じ匂いがする⁉


『カリスマ~中内功とダイエーの「戦後」』(佐野眞一著 日経BP社)を題材に先日投稿した際にカリスマ中内さんの特徴を佐野さんは次のように書いていました。

強烈な自己実現の欲望の持ち主である。
人一倍強い競争心。
人並みはずれた努力家。
④他人や本や実践から学ぶ勉強熱心である。
⑤自己主張の強い自信家である。
小成はもとより、どのような通俗的成功にも満足しない限りない革新性。
⑦人の配置と評価に対する深いこだわり。
⑧単なる雇用関係を超えた社員への教育的責任意識。
商人としての美意識に反することへの激しい怒り。

この9点は正垣さんにも全て当てはまっていると思います。

そんな正垣さんの講演は「みなさんにとっておいしい料理って何ですか?」の質問から始まりました。

「トリュフやフォアグラ、霜降り和牛のステーキを毎日食べたいですか?」

「皆さんは、お米のご飯やみそ汁を"あー御馳走”だと思って食べていますか?まずくはないけれど御馳走だと思っている訳ではないでしょ?でも毎日食べても飽きませんよね。」

「この毎日飽きずに食べられる料理がおいしい料理の基準なのです。」

「体に悪いものを食べているから寝たきりになる。体にいいものを食べていればコロッと死ねる。」

だからコロッと死ねる食材と料理を提供していきたい。

「お年寄りにはみんな毎日サイゼリアに食べに来てもらいたい。そうすればコロッと死ねる。今は、サイゼリアは高校生に席巻されているけれど、いずれはお年寄りで一杯になるレストランにしたいというのが私の夢なのです。」

✅どうしてこんな考えに至ったか?


正垣さんは、大学生時代に1Fが八百屋の2Fで洋食店を始めた学生起業家でした。

実はこの洋食屋(サイゼリヤの前身)を火事で全焼させてしまったのですが、サイゼリア出現の要因になるのですから何が幸いするか分かりません。

火事の後、八百屋の大家さんに「若いんだからやり直せ」と励まされ、もう一度頑張ってみようと、正垣さんはヨーロッパへ食材探しの旅に出ました。

その旅で、おいしい料理っていうのは、飽きがこずに毎日でも食べられるものというサイゼリヤの哲学を見出し、健康にいいもの「オリーブオイル」「トマト」「パスタ」といった食材からイタリアンレストランをやろうと考えたようです。

そうやってサイゼリヤ1号店を火事で全焼し再建したビルの2Fでやり直すのですが、その後の正垣さんはすごかった。

快進撃でした。

サイゼリヤを1999年7月に上場させ、翌年店舗数が300店舗になった頃、その勢い満点の時に聞いた講演なので言葉の端々に自信がみなぎっていました。

「先日、日経にサイゼリヤはサービスが悪いと書かれましたが、皆さん? 飲食業にとってのサービスって何ですか?」

「サイゼリヤも上場させてもらいました。上場会社としてお客様だけでなく株主にも満足してもらわなくてはなりません。満足してもらうサービスの源泉は利益です。経常利益率10%ある飲食業が他にありますか?サービスが悪い会社にこんな成績があげられますかね?

「みんさんは、流行っている人気のレストランで働くアルバイトがどんな気持ちで接客しているか分かりますか?

こんな忙しい時にまた客が来やがった。そう思って働いているんですよ。私は学生のころに起業してこの業界に身を置き、自分自身でも接客のアルバイトをしていましたから良く分かるんです。また客が来やがった。」

「だからサイゼリヤは、ボチボチお客さんが来て利益が出るビジネスモデルを構築しているんです。」

「ある店が流行ってお客さんで一杯になれば、近くに店を出してお客さんを分散します。そうすればボチボチお客さんがくる店になります。そんな風に出店して接客係を楽にしているのです。」

✅ボチボチ客が来て利益が出るようにするのが経営者の仕事⁉


「みなさんはカミッサリーって分かりますか?食材の中間処理倉庫とでも言えばいいですかね?カミッサリーがサイゼリヤの利益の源泉です。」

「店舗に食材を届けるこのカミッサリーをどこに立地するか?」

「体にいいもの、コロッと死ねる食材にこだわっているので、野菜は農家との直接契約で仕入れている。」

「旨さを科学すると、サラダは4℃で食べるのが一番うまいことが分かっている。だからサイゼリヤでは、カッミサリーからレストランでお客さんに出すまでの間、全部4℃で管理している。エスキモーのような恰好で調理してお客さんには4℃のサラダを食べてもらっている。」

「一番売れているものを値下げするからもっと売れる。だからサイゼリヤは一番人気のドリアを先日値下げした。」

「だけど経営が分かっていない者は、売れないものを値下げして売るから売りも伸びなければ利益もでない。」


どうですか、ここまでの正垣節? 強烈でしょ⁉

長くなりましたのでこのつづきは、後編で!

つづきを読む


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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