【風呂酒日和33-2】 白河(しらかわ)
【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。
目の前に猛烈に惹かれる店がある。
久松湯を出て、ちょうど真向かい。
そこにとっても小さな三角地がある。
その三角のところに、ちょうどよく居酒屋さんがおさまっているのだ。
そのロケーションの時点でちょっと惹かれる。
白河と書かれた緑の看板が鮮やかに光っていて、かなりローカルな気配。
中の様子は全く見えないが、焼き魚のいい匂いと楽しげな声がぽつぽつと聞こえる。
ちょっと遠目から様子を伺っていると、どこからか現れたおじさんがカラカラと扉を開けて入って行った。
よし、後に続けとばかりに意を決して私も足を向ける。
扉を開けるとすぐ目の前にカウンター。
さすが三角地。かなり狭い。左の方を眺めるとだんだんと広くなっていってカウンターの奥にも席が見えた。
入口に入ってすぐ、横の厨房と思われるスペースには先ほどのおじさんが。
この人が店主らしい。
後ろから数回もじもじと「すいません」と声をかけるも、おじさんには聞こえない。
大変だ。恥ずかしい展開になってしまった。
くるりと左手にいたお客さんの方を向き「まだ…入れますかね?」と聞いてみる。
カウンターに座っていたおじさんが「どうぞいらっしゃい。」と言ってから、マスター!お客さんだよ!と声を上げてくれた。
ありがたい。
その声を聞いて、いらっしゃいませ〜と男女の声がした。
どうやらおじさんは厨房にいた奥さんと話していたようだった。
それは申し訳ないことをしてしまった。
奥はなかなか人がいたので、入ってすぐのカウンターに腰掛ける。
はいどうぞ。とすぐにおしぼりが出てきた。
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