【風呂酒日和47-2】 名もなき店 〜ふくすけ〜
アクアドルフィンランドを出てイルカとマーメイドのハーフのような気持ちになった私はそのまま京成立石駅に向かう。
マーメイドといえば下半身が魚だ。しかしというか、だからというか、まぁ、なんだ、あれだ。
下手な結びつけを考えずに言うと、今日も今日とて私は魚が食べたいのである。
いつものようにGoogle Mapを開きながら歩いていると、とっても気になる名前が目に入ってきた。
「名もなき店 〜ふくすけ〜」。
"ふくすけ"は、名ではないとしたら一体何なのか...。
なかなかキャッチーな名前で私の心を掴むのがうまい立石。
面白い名前ツアーということでなんだかちょうどいいかもなんて思った私は名もなき店とやらに向かって歩き出した。
駅前まで続いているであろう商店街の端っこ、ブラックボードの立看板が見えた。ここだ。
入口からちらっと覗くとお客さんは今のところ見当たらない。
「混んでなくてよかった」と「誰もいない?大丈夫...?」の中間くらいの気持ちで扉を開ける。
「いらっしゃいませ〜」
可愛らしい女の人が迎えてくれる。
1人ですと答えるとお好きな席にどうぞとのこと。
さて、どのあたりに座ろうか。
「あー、カウンターでいんじゃないっすか?」
奥から店主らしきお兄さんの声がした。軽い調子でカウンターに促される。
カウンター、あったんだ。
声の方に目をやると確かに店の一番奥に小さなカウンター席がある模様。
おじさんがすでに2人座っていて、なかなか入りづらそうだが大丈夫だろうか。
そうは言ってもカウンターを促された手前、それを拒否してテーブルがいいですというのもなんとなく悪い気がするし、これから混んできたら1人でテーブル席を占領するのもよろしくない。
私は「じゃあ...」と言って店の奥に進んだ。
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