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夜明け前のウランバートルのホテルの23階

夜明け前のウランバートルのホテルの23階。帰り支度を整えて、私は、窓際に腰掛けています。今回の旅の間、私は、飽きずにここから町を眺めていました。

ここからは、ビルの、マンションの、そして山にへばりつくゲル地区の明かりが見えます。ゲル地区のそれは、電圧の関係か、チラチラと瞬いて見えます。

司馬さんは、「人のよさについて、もし指数が出せるとすれば、世界中のたれもが、モンゴル人の指数こそ最も高いと認めざるをえない」と評しました。

それはもちろん検証困難なレトリックだけれど、人人の営みのようにいたいけに瞬く明かりを眺めて作家の言葉に激しく同意する旅人がここに1人、いました。

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皮膜
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