豊島の横尾館で
豊島の横尾館で、横尾忠則の「メランコリア」を眺めています。この島に実在するY字路をモチーフにしながらも、現実ではない風景が描かれます。
作品と対象、非現実と現実、フィクションとノンフィクション。それぞれを見比べて、ついつい私たちは、そこに作者の内面の表現の痕跡を探します。
でも彼は、いっていました。「内面なんか表現する必要は、ぜんぜんない。質感、すなわち、おもてに見えるものをただただ描くだけでいい」と。
表現者は淡々と外面を表現し、鑑賞者はその外面表現の中に表現者の(ものかもしれない)内面を見ればいい。その幸福なる放任を味わっていました。
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