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タイコウチのすむ池

下の前回の記事の続きです。

山梨県の水生昆虫採集。
最後にもう一つ、別の池に行きました。
そこには、ナミゲンゴロウやミズカマキリ、タマガムシ、セマルガムシ、マツモムシ、いろいろなヤゴがすんでいました。

水草が豊富な池

そして、埼玉県ではとても珍しいタイコウチも暮らしていました。

タイコウチ $${Laccotrephes  japonensis}$$
カメムシ目 タイコウチ科

タイコウチの幼虫

タイコウチはあしを使って、上手にどろや砂を背中に乗せていました。
呼吸管こきゅうかんを水面にばしています。

タイコウチの幼虫

幼虫にははねがありません。

タイコウチ(成虫)

英語でタイコウチ科のことを「water scorpion(水サソリ)」と言うそうです。
強そう。

タイコウチの頭

立派なかまで生きた魚を捕まえます。

とてもカッコいい水生昆虫なので、埼玉県でも数が増えるといいなと思いました。


おまけ

江戸時代の虫類の図鑑「栗氏千虫譜りっしせんちゅうふ」にタイコウチの説明がのっているのを見つけました。

栗氏千虫譜 2冊 31/36
栗氏千虫譜 2冊 31/36(画像を押すと国立国会図書館のページが開きます)
栗氏千虫譜 2冊 32/36
栗氏千虫譜 2冊 32/36(画像を押すと国立国会図書館のページが開きます)

千虫譜せんちゅうふウィキ現代語訳げんだいごやくをはります。

(右頁上段)
水蠆 ミガラ ヤガラムシの一種である
   ユリノハナスイ
池塘*1水中にいて、魚の子を食べる。
夏日の晴天の時、石の上に羽をさらして、
髙く飛ぶ。夜になれば、また水中に飛んで入る 
吻の上の両手はカマキリのようで、その体は
薄平たく、肉がない。その為、
身殻空ミガラという。

(右頁下段)
ミガラ 太鼓打ともいう
丙子年四月二十日に写す

千虫譜ウィキ 原本A2-48

湿地の水たまりの中にいて、魚の子を食べるところや、石の上ではねかわかしてから飛ぶところとか、よく調べているなーと思いました。

僕も昔の人に負けないように、観察したいと思います。



下は、国立国会図書館デジタルコレクションの栗氏千虫譜りっしせんちゅうふのページと、千虫譜ウィキのページです。

下は、うちで飼っているタイコウチの記事です。


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