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『7つの習慣』変わるのは常に自分から

『7つの習慣』という本を読み返しています。

本書は、1989年 (日本では1996年) の刊行以来、全世界で4000部を売り上げる大ベストセラーなので、ご存じの方も多いかもしれません。

本屋さんでは、自己啓発書・ビジネス書のコーナーに置いてあることが多いですが、個人的には「人生哲学」と表現した方がしっくりくる内容です。

私は新卒の頃にこの作品と出会い、大きな刺激を受け、人生のバイブル的に繰り返し読んでいた時期もありました。

年齢を重ね、子どもを持ったことで価値観がかなり変わった現在では、本書で書かれていること全てを信じているわけではありませんが、今でも読み返すと学びが多く、以前には読み流していたところにも、新たな気づきがある名著です。

特に私が大きな影響をも受けたのは「インサイド・アウト」の考え方。

 インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。内面のもっと奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。

スティーブン・R・コヴィー著/フランクリン・コヴィー・ジャパン訳『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版(2013年)

反対に、「アウトサイド・イン」は、あなたが (周りの環境) が変わってくれれば、自分は変わるという受け身の姿勢です。

私たちは、自分にとって不都合な状況を他人や環境のせいにしがちなところがあります。

自分がうまくいかない理由を、
手伝ってくれないパートナーのせい、
言う事をきかない子どものせい、
融通のきかない上司のせい、
生意気な後輩のせい、
会社のせい、国のせい、時代のせい…と、誰かのせいにするのは簡単です。

しかし、相手に変わって欲しい、環境さえ違えばと願ってもおそらく何も変わりません。

相手の言動や周りの環境は、自分の意思でコントロールできないからです。何かを変えたいと願うなら、まずは自分自身から変化を起こしていく必要があります。

例えば、子どものことを思って勉強するように言っているのに、聴く耳を持たず、ゲームばかり…とうんざりしている母親がいたとします。

でも、もしかしたら子どもの方は、学校の人間関係でひどく疲れていて、現実から逃れるためにゲームをしているのかもしれません。

そうとなると、自分の気持ちを理解してくれず一方的に「勉強しなさい」と言ってくる母親は、うっとうしい存在でしかありません。

ここで「インサイド・アウト」の考え方ができれば、

「私 (母親) の伝え方に問題があって、本当に伝えたいことが、きちんと子どもに届いていないのかも…」

と、自分自身に原因を見出すことができるかもしれません。

そうしたら「伝え方を工夫してみよう」「まずは子どもの話しをきちんと聴こう」といった対応策が出てくるはずです。

ここで注意しておきたいことは、変えられるのは常に自分の行動だけで、結果をコントロールすることはできない点です。

「子どもの話しをきちんと聴こう」と態度を改めたとしても、必ずしもそれで状況が好転するわけではありません。

「うるさいなぁ」と一蹴されてしまうことも十分あり得ます。

それでも、何かを変えたいと思ったときに自分にできることは、常に自分から働きかけることです。

本書を通して読み取れるのは、「自分の人生の責任を、自分でとる」という強い姿勢です。
これは、時に「自己責任論」にも聞こえてしまいます。

世の中には一個人ではどうすることもできない事や、運命の悪戯みたいなことが往々にして起こります。
うまくいかない人を見て「それは努力が足りないからだ」「自分の責任だ」と攻め立てるのはナンセンスです。

それでも、「インサイド・アウト」の考え方は、ある種の希望になると思っています。

今の状況に納得できていない時、それが本当に全て環境や他人のせいだったとしたら、私たちにはなす術がありません。

でも、「全ては自分から」と思えれば、状況を好転させることは可能だし、前を向いて進んで行けるはずです。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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