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『2〇歳の自分に受けさせたい文章講義』もっと早く読みたかった!

以前、田中慶子さんの voicy で紹介されていて興味を持った、古賀史健さんの『2〇歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んでみました。

率直な感想は、
もっと早く読みたかった!

本書は、文章を書くことを生業としている人はもちろん、私のような「書くこと」が好きな人にも、自信をもってお勧めしたい一冊です。

  • 文章のリズムは理論展開で決まる

  • 文章の視覚的リズムも意識する

  • 読者を引き込む導入、3パターン

  • 構成は図解・可視化して目で考える


など、長年のライター生活で培われたテクニックは、勉強になることばかりなのですが、私が感銘を受けたのは、著者の真摯に読者に向き合う姿勢誰に向けて書くのか?という部分です。

  文章が文章であるかぎり、そこには必ず読書が存在するのである。 ところが、文章を書くにあたって読者の存在を意識しない人は意外なほど多い。 (中略)   相手 (読者) の立場に立つとは、まだまだマーケティングの域を超えない発想だ。 必要なのは、隣に立つことではなく、 読者と同じ椅子「座ること」である。  読者と同じ椅子に座り、肩を並べ、 同じ景色を見ることである 。

古河史健『2〇歳の自分に受けさせたい文章講義』

その上で、本当の意味でその椅子に座れる読者は世の中に2人しかいないと言います。それは、

  1.  10年前の自分

  2.  特定の “あの人”

特に私は「10年前 (過去) の自分に向けて書く」という部分を読んで、励まされる思いがしました。

それはまさに、私が今までnoteでしてきたことのように思えたからです。

もし過去の自分にアドバイスをしてあげられるなら、きっとこう言うだろう。
私がどんな景色を見て、どんな悩みを抱え、それをどう乗り越えて行ったのか。
今の自分だからこそ、書くことができます。

過去の自分に向かって文章を書いたところで、誰の役に立つの?

と思う方もいるかも かもしれませんが、それに関しても著者は次のように言っています。

人間は、どんな時代も同じこと (普遍的なこと) を考え、同じことに悩み、同じことで苦しんでいる。自分だけにしか分からない、誰にも理解されないと思われる根深い問題こそ、じつは普遍性を持った悩みなのだ。(中略) なぜ、あなたは10年前の自分に向けて書くべきなのか? いま、この瞬間にも日本のどこかに「10年前のあなた」がいるからだ。



最近noteとの向き合い方に迷いはじめ、
誰のために書いているのか?
何のために書いているのか?
迷子になりかけていたのですが、上の一節を読んで視界がパッと明るくなった気がしました。

特に意識してこなかったけれど、きっと私は、「過去の自分」について書くことで、今同じように悩んでいる人の助けになりたいと思っていたんだろうな…。
本書はそんなふうに思わせてくれました。

これから「書くこと」に迷ったとき、「書くこと」に行き詰ったとき、
繰り返し本棚から手に取る本になりそうです。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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