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メンタル不調増加は組織の病
こんにちは!お日さまの光が大好きなひなたです。久しぶりに早朝のランニングを楽しんできました。
この寒の戻りで、桜祭りの看板と屋台を尻目に?肝心の桜はしっかりと蕾を閉じたまま・・。どうやら桜を楽しめるのは来週以降になりそうですね!
ということで、今日は、~今、組織に思うこと その2~「メンタル不調増加は組織の病」について書いてみたいと思います。
公務員のメンタル不調の増加の実態
一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会「地方公務員健康状況等の現況」によると、精神及び⾏動の障害により⻑期病休となっている⼈数は右肩上がり、この15年で2倍の数字です。
これは、どういうことなのでしょうか。
若者のメンタル疾患が増えていることから「最近の若者は打たれ弱い」とか「休職制度があるから簡単に休むのでは」と言われることがあります。
確かにそんなこともあるのかもしれませんが、わざわざ病気休職になりたいと思う職員がそんなに多いのでしょうか。
ちなみに、少しデータは古くなりますが、総務省が実施した「地方公務員のメンタルヘルス不調による休務者及び対策の状況(令和2年度メンタルヘルス対策に係るアンケート調査の概要」によると、40代(27.4%)が最も多くなっています。若手だけがメンタル不調に陥っているわけではなさそうです
20年前と比べて実感として感じること。
経験年数の少ない職員の割合が急激に増加
私が入区した頃は、氷河期真っ只中。
新規採用の珍しさは、まるで動物園のパンダなみ。
わざわざ、他の部署から見学にお越しいただくこともありました!
右から左から他部署の方まで、それはそれはよく面倒をみてくださいました。
ところが、団塊世代の退職に伴い、新規採用職員の数は年々増え続け、毎年100人越え。これは非常に厳しい状況だといえます。
実際に、仕事を教えてくれる人がいない。
職員の数が足りない、というよりも、仕事を教えられる職員数が足りない。これが実態なのでは、と感じます。
異動の多さとローカル文化。
ローカルルールの文化。
部署ごとに仕事のお作法が違う。口伝によるルールが多い。
これも仕事を困難にしている一つの要因だと思います。
何が正しいルールなのか、一目で分かるものがない。
昔は隣に座った先輩が丁寧に教えてくれました。
今は、調べる手段もわからず、聞く人もいない。
これでは、病むのも時間の問題だと思います。
業務量の多さと複雑さと。
本当はこれがTOPにくるのかもしれません。
少なくとも昔は、個人情報保護や情報公開などの制度はありませんでした。
加えて、情報技術の発達によって、業務はとにかくスピードが求められるようになりました。
迅速に、正確に。かつ丁寧なサービスを。
選ばれる自治体になるために。
それとは裏腹に、自治体サービスの電子化や手続きの自動化はまるで進んでいません。
それぞれのサービスの複雑さもその要因となっています。
もうずっと前から、人の手で処理ができる量の限界を超えている、
という現実があります。
小さなミスを追及するたびに問題は大きく膨らんでいく。
税金によって成り立っている仕事だからこそミスは許されない。
確かにそのとおりだと思います。
少し前に、デジタル庁の法案関係資料に多くのミスがあったことが話題になりましたが、NHKの取材では、長時間労働の実態や、慣例化した内部処理の不要な作業に言及しています。
ミスを個人のせいにするのではなく、組織の問題として、ミスをなくすための物理的な仕組みづくりに労力を割く必要があります。
作業工程は極力シンプルに簡素化を、形式的な作業は廃止を。
いつまでもミスのチェックばかりに人を割いていては、職員の意欲の低下と精神的な疲弊を招き、ますますミスが増える、負のスパイラルが続くものだと思います。
組織が生み出すハラスメント問題
最後に、「地方公務員のメンタルヘルス不調による休務者及び対策の状況」にある「休務に至った主な理由」1位の「職場の対人関係」について。職員が休職に陥る職場の対人関係の問題として、ハラスメント問題は避けては通れません。
私が、これまでの経験上で痛感すること。それは、ハラスメントの問題は、懲罰では決して解決しない、ということです。
これは、現実的にとても難しい問題ですが、ハラスメントはそれを行っている当事者の心の病だと思うからです。
他者に怒鳴らなければならない、圧力をかけなければならない、人を病気に陥れる程の暴言や嫌がらせ、他人の人格を全否定するような態度、その穏やかではない心の中には何があるのか。
私は、先に書いた、公務員を取り巻く過剰な業務とプレッシャーも要因の一つにあると思っています。
本当は、組織がその問題にきちんと目を向けて、職員の声、悲鳴をまずは聴かなければならない、そんなことなのかもしれません。