【仕事】『仕事からの切り替え困難に対する心理的支援 ―持続可能な働き方の実現のために―』◇まとめ その1【プライベート】
「ワーク・ライフ・バランスって言うけど,仕事とプライベートの切り替えができない・・・」
「家でも仕事のことを考えていて,心が休まらない感じがする・・・」
このような状態に,私も長く悩まされています。もっと「切り替え」をしっかりできたら,心身ともに楽に生きられるのかな・・・
そんな思いが湧き,ふと書店に出向いたら,本書と出会いました。
著者は臨床心理士,公認心理師で國學院大学教育開発推進機構学修支援センターの,内村慶士氏。
本書の大きなテーマとなっているのは「仕事からの切り替え困難」です。まさに前記の悩みに答えてくれそうと思い,読み始めました。
しかしこの本,著者の「博士論文」を再編集した研究書なので,内容がかなり難しくハードルが高い・・・
そのため,難しい表現等を砕いて読み,自分自身にも分かりやすく,まとめていきたいなと思います。
~本書の目次~
はじめに
第Ⅰ部 ワーク・ライフ・バランスと「切り替え」の問題
第1章 仕事と生活の「切り替え」に関する先行研究
第2章 本書の目的と構成
コラム1 「仕事」と「生活」の関係に関する重要なテーマ
第Ⅱ部 「仕事切り替え困難」の体験と生起プロセス
第3章 生起プロセスに関する質的検討(研究1)
第4章 「仕事切り替え困難尺度」の開発(研究2)
コラム2 バウンダリー・マネジメント――仕事と生活の境界管理
第Ⅲ部 「仕事切り替え困難」の生起に関わる要因
第5章 ポストコロナ社会における自己調整の重要性(研究3)――リモ ートワーカーを対象にした研究報告
第6章 「切り替え」におけるセルフモニタリングの限界(研究4)――シフト制勤務の女性社員を対象にした調査から
第7章 セルフモニタリングから「自分ケア意識」へ(研究5)――日本人の特徴に寄り添ったセルフケアに向けて
コラム3 リモートワークでも仕事のスイッチを「オン」にするヒント
第Ⅳ部 「切り替え」支援プログラムの開発と検証
第8章 「自分ケア意識」を促進する「切り替え」支援プログラムの開発
第9章 開発した「切り替え」支援プログラムの検証と改善(研究6)――3カ月間の試験的実践報告から
コラム4 働き方の主体的なデザインに向けて
第Ⅴ部 持続可能な働き方の主体的な実現のために
第10章 これからの「切り替え」支援に向けて
あとがき
まとめの投稿にはそれぞれ間が空きそうです。投稿ペースも自分の調子に合わせてなので,ご覧になってくださっている方,申し訳ありませんが,よろしくお願いします。
はじめに
まずは「はじめに」を読んでいきましょう。ここでは本書の全体像が示されています。
著者によれば,「仕事」と「生活(いわゆるプライベート)」の境界線は,時代によって大きく変わってきました。
過去の様々な文献や研究によれば,文明や技術の発展に伴い,仕事の量が増加し,「退社後も仕事の電話に応じる」「休日もビジネス書や専門書を読んでスキルアップ」という日常が定着し,「仕事」と「プライベート」の境界が曖昧になってきたと,本書では述べられています。
昨今のコロナウイルス(COVID-19)の世界規模の変化に応じ,日本もテレワークやリモートワークの普及が進んだこともあり,どこまでが「仕事」で,どこまでが「プライベート」かの線引きに苦労されている人も多いことでしょう。
著者はこのような「仕事が終わっても仕事のことを考え続けてしまう状態」を「心の残業時間」と言っており,この問題を解消するのに考える必要があるのが,「仕事と生活の切り替え」の支援であるということです。
本書では,著者が行なった6つの調査・実証研究を通して,この「仕事と生活の切り替え困難」の問題と,その支援のあり方についてを探っていきます。
さて,「はじめに」はここで終わるのですが,本書は「産業・組織心理学」の研究分野に位置しており,かなり専門的な内容を含みます。そのため,英語の専門用語や,その分野の特殊な言葉が出てきたりします。
私は自分の備忘録としてこれを書いているので,まとめの最後の方に,各投稿で出てきた「難しい用語」と「その説明」を,「用語欄」として書いて残していきたいと思います。
もし,ありがたくもこの投稿を読んでくださっている方へ。
「これってどういう意味だったっけ?」という疑問が生じたときは,その「用語欄」をご覧くださいますようお願いします。
さて,今回はこの辺で終わります。先はまだまだ非常に長いので,じっくり嚙み砕いて,読んでいきましょう。
【用語欄】
「はじめに」のため,無し