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田中康雄先生の講演にいってきました。

2015年10月はこころのそだちのクリニック むすびめ の院長 田中康雄先生の講演を聞いてきました。

テーマは「ADHD 心理的な応援について」です。

とても興味深い内容でまだまだ聞いていたかったな、と思ったのが率直な意見でした。田中先生は事例を交えて面白くお話してくれるのであっという間に時間が過ぎます。

むすびめクリニックでは困ってる子、困っている親に対して
「診断」をつけるためのものではなく
今困っていることは何で、
それに対して何をしていくべきかを考えるべき

と考えているのことでした。

ADHDだからこういう支援をする。自閉症スぺクトラムだからこういう支援をする。というあてはまった支援は
その子をその診断のままの子にしてしまう可能性があるとのことで、当事者(子ども)やその養育者(親・保育士・先生など)の困っていることを見てあげようとのことでした。

自分でつけよう自分の病名。

北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点である「べてるの家」でも同じ疾患を持つ同士でも、症状が多種多様で同じ症状の方はいないということで上記のような取り組みを行っています。

自分でつけた病名や症状をグループワークで発表し、今ある状況を受け入れていくのです。


また、褒め方も「人を褒めるのではなく、行動を褒めよう!」とおっしゃり、その子の行動に評価してあげようとのことでした。
褒め方や無視の仕方も養育者がテクニックを学んでいくべきだとのお話もありました。保育士・教員が養育者に向けて心理教育をしていくことも含まれていますよね。無視できる自制心が大人に必要ですものね。

学齢期では
自分から上手に助けを求められる(援助希求)ように配慮したり、
本人の理解度に教師が注意し、学びを受けられている保障を適切に与えていくことが大切のことでした。
その為、宿題や授業課題は今より(2015年現在)ももっと減らし、本人が無理なく出来る程度に調節していくことが留意点だとおっしゃっていて、

大人の見返りを求めて、子どもに頑張らせることはいけない

とのことでした。
子どもは生活しているだけで頑張っているんだからそれを認めてあげよう!
笑顔でいるだけでほめてあげよう!
だから養育者が頑張り過ぎなくていい、休むのも大切だよと労いの言葉までいただけて、聞いていてほっとしました。大人も心の蓄えがないと、頑張れないですよね。


最後には

療育とは「丁寧な子育て」です

とお話しされていて、ただただ納得してそれに限る!と思いました。今も胸に刻んでいます。どんな環境であれ丁寧に関わればいいのです。発達センター等の医療に限らず、児童館でも保育園でも学校でもいいのです。

家庭と施設では集団かそうでないかで違いはありますが、結局は子育てをしています。

毎日同じことの繰り返しに感じたり、何かを成し遂げられなかった日々があったとしても良いのです。そして、障がい児だろうが定型発達児であろうが行っているものは子育てです。

子どもの発達の遅れがみられ、「普通の子育てがしたかった」という養育者もいました。子育てに普通なんてものはありません。今力を注いでいるものが子育てです。

そんなとらえ方でいることが心理的な応援になります。大人も注意し合いだけでなく、応援しあおう!

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。