おもしろい日々ー大学受験指導国語で。
昨日、漢文で、私の大好きな『白氏文集』と面白い志怪小説(民間の怪異を描いた小説。)とを合わせた問題で演習の時間があった。その中で、かつて、白居易と友人の元愼が、今までの唐の詩人に比べると、元愼は軽くて、白楽天は俗っぽいということで、元軽白俗などと揶揄されていたらしいけれど、私は、やはり日本人にとって、白楽天は、とても馴染みやすいし、古典を読んでいても、それはそれはしょっちゅうお目に掛かり、私は大好きだ。
それも嬉しいことに、年の初めに、五言古詩を読んでいて、「あ、白居易だ!」と気付いて、嬉しくなった。
私は、この人のバランス感覚が好きだ。
官僚としても、それなりの出世をしているし、友人思いだし、これでもか、というほどの苦労の中で、自分の通り名が、楽天というのもわかる。確かに楽天家だよなあ・・・、というほどに、自分を客観的に見て、ユーモラスに表現していたりするところが好きである。
年の初めにこの人の詩に出会うなんて・・・。
私の大好きな男性は、日本では山上憶良、そして、中国では白楽天である。白楽天、というより、そもそもは白居易、という方が、なぜかしっくりくるような気もする。本来、楽天家だったのだろうか?この人を襲う悲劇の中で、楽天家にでもならなければ、そういう風に諦念を含めて考えなければどうしようもなかった面もあるのではないか?
この二人の男性は、自分たちが出世してなお、貧しい民衆のことを思わずにはいられないから、好きである。
かつて、物理の先生に見破られた。
私が、この二人を好きな理由。
でも、この二人、理解者も得て(山上憶良は大伴旅人がよき理解者であったようだ。梅花の宴でも有名な。)、人間性豊かな官僚で、一方、その人間性から来る詩人だったのではないだろうか?
全く違う話だけれど、憶良に比べて、というのでもないけれど、柿本人麻呂や山部赤人の歌を読むと、叙景歌、ということもあるのかもしれないけれど、私は、正直心の底から、ああ、天才だなあ・・・、と思わされる。
文学の世界を思うとき、日本という国は、相当に素晴らしいと思う。
あらあら、白楽天が好きという話だったはずなのに・・・。(笑)