読書と対話で「幸せ」の輪郭を見た
1.読書サークルに入った
有料のnoteのマガジンを購読したら、必然的に読書サークルの参加権を与えられたので、入ってみた。
読書サークルには、毎月課題図書があり、その本の内容について感想を言い合ったり、それぞれの問いで遊んだりするSlackがある。いろんな人が本を紹介したり、本を贈与し合ったりしているので、サークルに入ってから1か月に読んだ本は、入る前に比べて5倍増になった。
サークル内では、しばしば「幸せ」について議論される。
「あなたは今幸せ?」
「結婚って良いもの?」
「友だちってどう作るの?」
など。
普段生活していると、日々のタスクに追われて、今自分が幸せかなんてじっくり考える間もなく時間が過ぎていく。上記の問いは、リアルで会う友だちともなかなかしない話題である。
でも、サークル内で誰かに問いかけられれば、一旦立ち止まって自分なりの答えを考える。
2.ビジネス系サロンとの違い
読書サークルに入る前は、ビジネス、投資、広報のオンラインサロンに入ったり、公的私的両方でコンサルを受けたりしていた。
目的はすべて「今より収入を上げるため」だった。
でも、ふと考える。
「なんのために収入を上げたいんだっけ?」
「自分は何に時間やお金を使いたいんだっけ?」
読書サークルで聞いてみた。
「みなさんは、生活費以外でいくらあったら満足ですか?また、そのお金を何に使いたいですか?」と。
お金の使い方は、その人の生き方に直結すると思ったから。
ある方にこう言われた。
「その問いは出るということは目的地がブレているからでは?」と。
鋭いと思った。
そう、目的地は「幸せ」だ。
でも、自分の中に「幸せ」な状態がどんなものかの定義が明確にはなかった。そこをちゃんと考えないで、お金が今より増えれば幸せになると思い込んでいた。同時にいくら稼いでも幸せにはならないんじゃないかということも、薄々気づき始めていたから、「なんのために収入を上げたいんだっけ?」という問いが出てきたのだ。
ビジネス系のサロンやコンサルでは、一番大事な"私にとっての「幸せ」について"の議論なしに、「どうやって収入を上げるか?」「どうやって認知を増やすか?」という方法論ばかりこねくり回していた。
それらが無駄だったとは思わないけれど、まず私がやるべきことは「自分にとっての幸せは、どんな状態か」を知ることだったのだ。
読書サークルで得たものは、「幸せ」について自分で考え、目的地を定めることができたこと。
3.目的地と羅針盤
収入を上げたかったのは、自分や家族が「幸せ」でいるためだった。
そして、今「幸せ」ではないのかと考えると十分に「幸せ」だった。
別に収入を上げる必要ないじゃん。
では、なぜ収入を上げたいと思ったのか?
その答えは、今のお金のやりくりに不安があるから、だった。
そこでメンバーに羅針盤の必要性を説かれる。
先に出た鋭いコメントをしてくれたメンバーに「家計簿をつけては?」と言われた。確かに、それでお金のやりくりの不安は軽減できそうだ。
まず、現状を知り、不安を解消する。
それから、今の生活にプラスしてやりたいこと、行きたい場所を書き出せばいい。それが、これからの人生の「幸せ」になるという「目的」のためのチェックポイントになる。
チェックポイントを通過するのにかかるコストが今の収入で足りなければ、いくら上げればよいか明確になるし、もし足りていれば無理に上げなくてもいい。羅針盤を見ながら、目的地へ進んでいけばいい。
これから生きる上での「目的地」と「羅針盤」が、明確になった。
4.オフ会に向かう道端で見た景色より
読書サークルに入ってSlack内で会話をすること以外では、初めてオフ会に参加した。
オフ会の場所は新宿歌舞伎町の学問バーだった。学問バーがオープンする前に、サークルのメンバー3人で新宿御苑を歩きながら話をした。
バーに向かう途中では、地べたに座って缶酎ハイを飲むトー横キッズや、立ちんぼと交渉するおじさんをリアルに目にした。立ちんぼはホストクラブの宣伝カーの運転手に手を振っていた。
学問バーの講義では、人間の脳が他の動物に比べて発達したのは代謝を最大化させてきたからとか、不健康なことをすると身体の中に炎症が起こるといった話を聞いた。また、「幸せの外注」は脳の発達を止めるよね、と話していた。
「幸せの外注」…まさに先ほど道端で見た手っ取り早く快楽を手に入れようとする人たち、そして誰かに正解をもらおうと参加したオンラインサロンやコンサルを受けていた自分自身のことだと思った。
「幸せ」を外注したら、自分の内面が炎症する。
講義では、代謝を超えてカロリーを摂取したり、運動をしないと身体の中で炎症が起きると言っていた。ニキビやがんなど、外からは見えない傷がグジュグジュと炎症して膿んで、さらに自分を蝕んでいく。
私も「幸せ」を外注しようとしたことで、炎症が始まっていた。
5. 本を読み、人と話そう。
収入が増えても減っても、独身でも既婚者でも、子持ちでも子なしでも、空を見て「きれいだな」と思えたり、「答えのない問い」について人と話せたら、それはもう既に「幸せ」なのだと思う。
もちろん、本を読むだけで「幸せ」になれるとは言わないけれど、本を通して人に会い、話をすことで「幸せ」とは何か、その輪郭はわかってきた気がする。
本を読み、人と話し、自分の足で進もう。
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