★誕生日の物語#13

蔦が這うにまかせた白亜の教会へと、真夜中を過ぎて忍び込んだのは、ただの好奇心などではなくて。
それは直感。
あるいは、信頼。

足を踏み入れてすぐに気づく。
街で囁かれる不吉で不穏な噂からは程遠い、朽ちゆく運命など微塵も感じさせない冴え冴えとした清浄な空気に満ちていた。
差し込む月の光に、砕かれたガラス片が乱反射を繰り返し、ステンドグラスを背にした優美な天使像は慈愛の笑みを浮かべる。
その左手には秤を、右手には剣を携え、その瞳はかすかな燐光とともに祈る信徒へと注がれていた。
まさしく、夢に視た光景だ。
夢の向こうから届けられたメッセージに従って、天使像の台座の裏へと回り込む。

ああ、見つけた。
ちゃんと見つけた。

そこに刻まれた言葉に、描かれた方陣に、残された懐かしい魔力のカケラに、涙がこぼれる。
「コレであなたを追いかけられる」
永遠を誓い、私を信じ、世界の秘密を抱いて時の向こうへと飛んだあなたのことを、変わらぬ愛で追いかけよう。
あふれる想いを握りしめ、私は私のすべてを込めて、『扉』を開くための言葉を紡いでみせた。

＊誕生石・誕生日花＊
カラーレストパーズ:知性・天才・誠実
ダイヤモンド:永遠の絆・不屈・変わらぬ愛
ブルースター:幸福な愛・信じあう心
ウツギ:秘密

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あなたの誕生月&日の石と誕生日花をキーワードにつづる少し不思議な物語
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