言葉が自分を変えてくれる

自分の感情を友達に伝える時、昨日起きた出来事を恋人に話す時、仕事の成果を上司に伝える時…
これらには全て「言葉」が介されます。
感情・出来事は、それを感じた人以外、全く同じものを感じることは不可能です。ただ、それを伝えたい。伝えないといけない。と思った時、「言葉」を介して受け取られるものが相手からすると全てです。
この言葉をいかに鮮明に、時には抽象的に、扱っていくか。
「伝えたいこと」という形のないものに、適切な輪郭や色を付けてくれるものこそ「言葉」です。
人類が他の生物よりもここまで発展した大きな理由である「言葉」の扱い方で、他社と関わる中で生きてゆく日々の有意義さを大きく変えることが出来るのではないでしょうか。

では、言葉の持つ力とは何なのか?
そして、どのように言葉を扱えば良いのか?
紐解いていきたい。

1.言葉は道標

時に言葉と対になる「数字」があります。売上の数字、契約件数、営業利益率…これらはビジネスを進めていく中での大切な指標となります。成果の判断基準にもなります。
しかし、時にこれら数字が「目的」と混同してしまうこともあります。
「売上100億円」ということが会社の目的となると、実はおかしな話です。何かを達成したり、目指したい姿があった上での「売上100億円」という数字が出て来るのであり、100億円の上には「企業の会計業務効率化により日本のビジネスを加速させたい」や「食料廃棄問題を解決し、地球に優しい社会を作りたい」など「言葉」で語られるあるべき姿が存在しているはずです。それが、企業理念だったりするわけです。
この最上位にある、あらゆる活動の道標となる目的は「言葉」でしか語りえません。数字は言葉の基に指標として成り立つものです。
何のためにこの事業をするのか、この仕事はやるべきなのか、など迷った時にこそ道標となるものが「言葉」で語られるビジョンなのです。

2.言葉が人を変える

言葉は自分の頭の中・心の中にある形ないものを形にします。内→外のベクトルです。
同時に言葉は、外→内のベクトルもあります。
「常に自分が言っていたことが現実になる」ことです。ベタな表現で口で十回言えば叶うように、今出来ない事でも口に出し続ける・言葉にし続ければ出来るようになる・自分が変わります。
これは、精神論ではなく、「言葉にする」というプロセスが明確に影響しているからこその現象です。
言葉にするということは非常に難しいことです。考えがふわっとしていたり、本当に想っていないことは言葉にできません。やってみると分かるはずです。理解していない分野の勉強を人に教えることはできませんし、やりたくない事を「やりたい」と言うのは気持ち悪いものです。
言葉にできるということは、それまでのプロセスで、「自分のやりたいことが心からそう想えていて、理想像も具体的に考えられている」ということです。具体的に姿が描いてあり、想いもあれば非常に動きやすくなります。結果行動に起こせ、理想像に辿り着けるようになります。
言葉にすること、言葉にするプロセスで人は変わることが出来ます。

3.言葉にするプロセス

では、どのようにその言葉を紡ぎ出すか?
ポイントは2つです。
まず1つ、大前提として「難しい言葉は不要」です。中学生にも分かるくらいのレベルの語彙・表現がベストです。上に書いたように、言葉は人に伝えたり自分を奮い立たせる存在です。その時に小難しい表現は妨げになります。Simple is the best. 

そして2つ、ビジョンを考える時は「なぜ?」、行動を考える時は「何を?」で突き詰めることです。
まず根本の想いやビジョンを定めたいときは、抽象度を上げていきます。自分の経験、その時の感情、何が楽しいと感じた・やりがいに感じたか…
これらを「なぜ?」と突き詰めていく事で、共通しているものを浮き上がらせます。そうすると例えば「人を笑顔にすることが好きなんだな」と、自分の軸になるようなものが見えてきます。自分のスタンスが見えてきます。
そして、理想だけで終わらないように行動まで考えます。行動にする際はふわっとしていると動けないため、具体的に落とし込んでいきます。その時には「何をするか?」と具体的なアクションレベルにします。ここまで来たら冒頭の「数字」は活きてきます。
状況に応じた言葉レベルの上下が大切になります。

何より、言葉もスポーツと同じく、経験が必要です。言葉にしてみて、意外と考えられていないことに気付いて、考えて、言葉にして、また気づいて直して…と繰り返すことで、経験値が上がり、状況に応じた使い方が出来るようになっていきます。
人と話す事、アウトプットする事、いろんな場面で言葉にすることで、訓練を積み重ねていきましょう。
言葉によるコミュニケーションが全てである以上、言葉を巧みに扱える人こそ、AIにも変えられない貴重な人材になれるはずです。

参考文献

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