「蟹工船」を読んだ中三女子の感想
歴史の授業で、よく出てくるんですよ。
「小林多喜二、蟹工船、プロレタリア文学」って。
定期テストでも穴埋めで出てきたんです。だからちょっと気になって、読んでみました。
本文では何が凄いのかよく分からなかったのですが、解説を読んでみて少し理解できた気がします。
図書室にあった現代語訳版を読んだのですが、機会があれば原文でも読んでみたいです。
本文を読んでいる途中では、自分の置かれている環境に感謝したといいますか。「うわぁ大変や・・・。」みたいな感じだったのですが、それ以外の感想は特に浮かんでこなくて。
「小説として読む分には面白いけどようわからんなぁ。何がすごいんやろ?文学なん?」
と、そう思っていたんですよ。
なのですが、解説で「帝国軍隊ー財閥ー国際関係」を明らかにしているということを読んで、「なるほどなぁ」となりました。
しっくり収まっていて、小説としても読みやすくなっているのでそういう問題を描こうとしている文章をサラッと流してしまっていたのですが、そうか、そういうところがすごいのかぁ・・・って。
深いんですね。注意深く読んだら。
それからこれは「蟹工船」ではなく、「不在地主」という小林多喜二の別の作品のことらしいのですが、
「これまで農民文学は小作人の惨めな生活ばかりを描いていた。小作人と貧農がいかに惨めな生活をしているかが問題ではなく、いかにして惨めなのかを明らかにしていかなければならない」
という趣旨の手紙を編集者に送っているらしく。
確かに考えてみれば、いかにしてこの「蟹工船」の会社が設けているかとか、ストライキが起こってどうして会社が困るのかとか、色々わかりやすくなっていたなぁ・・・と思って。
「プロレタリア文学」のほかの作品を読んだことがないので何とも言えないのですが、こういう、「いかにして惨めなのかを明らかにする」作品が小林多喜二からなのだとしたら、すごいなぁと思います。
なんか、論理的に文学の新境地を切り拓いていっていると思うんですよ。
新境地って言うのかはよくわからないんですけれども。
ただまぁ、その、小説で表現したいものを論理的に説明できるってすごいことだなと。
ちなみにストライキがあってどうなるのか、これまで私は理解していませんでした。
それを実感を伴った理解にまで引き上げてくれたんだから、すごいなぁと思います。
本当に理解するには経済学とか色々勉強しないといけないんだと思いますが、とりあえず。
なんとなくは理解できました。
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