「なんくるない」を読んだ中二女子の感想
お母さんの本棚、第三弾!
もうシリーズ化しよっかな。マガジン、作ります。
友達から薦められたよしもとばななさんの本が家にあるんですよ?読むしかないでしょ。
と、テスト前にうちなータイムを感じておりました。
短編集なんですね。
はじめちょっと戸惑いました。「ちんぬくじゅうしい」「足てびち」「なんくるない」「リッスン」の4つの短編からなっています。
印象的だったのが、「なんくるない」と「リッスン」の終わり方。
上手くいきそうな予感だけ残して終わっていくんですよ。
この「上手くいきそう」っていうのが結局、一番楽しいんですよね。
最後まで書いちゃったら意外とつまらなくなってしまったりするものですから。
だから、「そっか。こういう書き方も有りなんだな。」って思いました。
それから「ちんぬくじゅうしい」と「足てびち」の沖縄の風景の描写なんですけど、何というかスローモーションだなって。
沖縄の、鮮やかで鮮烈な光がそのまま頭の中に焼き付いてくるような。
空とか、暑さとか。
沖縄の、ザ・観光地じゃないところには人間を変える力があるのかな。
現代人に必要なのは、こういう時間の流れ方なんじゃないかな。と、そう思いました。
「ちんぬくじゅうしい」に出てくるおばさんの言葉で、
「深刻なこととか理屈なんて大切なように思えても、そういうちっちゃい思い出に比べたら、全然へなちょこなのよ」
という言葉が心に残っています。
「確かにそうだな。」と思って。
これって、他の小説なんかだと「もっとすごい思い出があるはずなのに、思い出すのはくだらないことばかりだ。」みたいな感じで出てきがちだと思うんですけど、そこをそう書かずに肯定するのがすごいなって。
色んなところに出てくるんだから気づいてもよさそうなものなのに「すごい思い出」(例えば家族で旅行に行ったとか、あんまりないこと)を思い出すはずなのにっていう考えに囚われてちっちゃい思い出の方が強いからだ、とまでは思い至りませんでした。
それを見つけ出したよしもとばななさん、すごいです。
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