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「三日間の幸福」を読んだ中三女子の感想
大好きな三秋縋さんの小説。
この間、大きな本屋さんに行って買ってきました。
厳選の末にもう一冊の本と一緒に買ったのですが、私は結局、三秋さんの本は全部揃えちゃうんだろうな。
と、そんな気がします。
三秋さんの本って、一つの願いに集約されるのかなと思うんです。
「運命の人」が欲しいのかなって思って。
いたらいいですよね。
運命の人っていうのが存在するなら、こんなに孤独な思いをしなくて済むのに。
あくまで一つの予測に過ぎませんが、三冊目になるこれを読んでいて、そう考えていました。
かと言って一冊読めばいいってものじゃなくて、形を変えて問い方も変えて主題(?)も変わっているので全部面白いのですが。
「恋する寄生虫」「君の話」と同じように最後はどちらかが死んでしまうので見方によってはバッドエンドなのかもしれませんが、ラストで主人公たちは最高に幸せになるんです。
それが、羨ましい。
あ、なんかこれ、「恋する寄生虫」の感想でも書いたかもしれない。
でも、やっぱりそうなんですよ。
ラストで幸せになった主人公はあと三日で死ぬことがわかっていて、そこはすごく悔しいところかもしれませんし悲しいところなのかもしれないのですが、私はやっぱり「こんなことが自分にも起きたらいいのに」と思います。
この本は、二十歳の大学生のクスノキさんがお金に困って「寿命」を売るというところから始まります。
そして最後に残った三ヶ月間を幸せなものにしようとするが・・・。
という。
確かに主人公はどん底にも落ちるし、死ぬまでにやっておこうとすることでも空回りしてしまうのですが、運命の人と出会えて、幸せなままで死んで行けるならそれでもいい。
三日間の幸福に比べたら、クスノキさんの有意義だったはずの一か月なんて味気なく感じますよ。
やっぱり三秋さん、大好きです。
この本は三秋さんの二作目の小説で、巧い小説も面白い小説も他にもたくさんあるんですよ。
でも、私が求めるものをそのまま書いてくれているような小説家さんは他にいないんですよね。
三秋さんには生涯裏切られることはないんじゃないかと思っています。
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