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【日本国記】 第二章 10 祇園祭11・日本とは世界で最も特殊な国である ―古くて新しい―   土方水月 

10 京都の祭りは葵祭と祇園祭   祇園祭 11  博多祇園山笠

 山笠があるけん博多ったい。

 山笠があるけん博多バイ。

 博多の人間ではないのでどちらが正しいかは知らないが、福岡弁と博多弁は違うともいわれる。土佐の”ぜよ”と同じで、地域によっても使い方が違うものとも思われる。また、状況によっても使い分けがあるかもしれない。博多より東部の若い人は上だったように思う。年配の人は下のような。博多は九州ではあるが、ある意味東京のようなところでとても都会的な街である。博多美人も多い。それはいわゆるハーフが多いことにもよると思われる。博多に住んでいる人であっても博多生まれの人は何割かの人で、言葉も九州全域の言葉が混じった発音となっている部分も多い。生粋の博多弁はけっこうわかりにくい。

 福岡でも中心部と周辺部ではかなり状況が異なり、まず博多駅のある博多区は門前町であり商業の街である博多であるが、博多区以外のとくに博多区よりも西部は福岡であり城下町であった。つまり福岡県福岡市博多区ではあるが、福岡県福岡市の中に異質な博多区が存在する。いやむしろ元は博多しかかなかったところに後から福岡が来たといったほうがわかりやすい。福岡は黒田長政の出身地である岡山備前福岡村からとった名称であり、市の名称を決めるとき1票差で福岡市になったという都市伝説もある。しかしJRの駅名は博多駅となった。そこは譲らなかった。

 余談になるが、土佐の”ぜよ”は今の高知市より東部が使う言葉であり、坂本龍馬の生まれた高知市ではほとんど使わない。高知市では、”でよ”が多い、そして今朝ドラに出てくる牧野富太郎の生まれた佐川は高知市より西部であり、”ぜよ”よりも”き”が多い。よく龍馬の使う”いかんぜよ”は高知市では”いかんで(よ)”となり、佐川では”いかんき(ね)”となる。朝ドラではこれが多い。高知は東西に長い西部の幡多の言葉は特に違う。福岡もそうであり、南部の言葉はむしろ東北に近い発音に聞こえる。

 博多祇園山笠のクライマックスは何といっても「追い山」である。櫛田神社に入る時間を競う。とても勇壮である。関西の岸和田のだんじりも勇壮であり、九州の他の地域の祭で担がれる同様のものもぶつけたり回したりかなり勇壮である。しかしこれらは神輿が変化したもののようで、特にだんじりには神輿と同様な造りで屋根のようなものがあり、博多追い山には“山”しかない。そういえば博多には京都にあった鉾がないのである。追い“山”なのである。“山笠”なのである。

 その中心となる場所は櫛田神社である。櫛田神社は天照大神と須佐大神と大幡主の3神を祀る。大幡主が中心に祀られる。やはりここは”幡”であった。そしてスサノヲと牛頭天王も祀る神社であった。

つづく

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