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毒書人の楽園(漫画版)

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読み終えたマンガをいろいろ紹介していきます
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記事一覧

『超人ロック 聖悠紀』日本SF漫画の頂点にして銀河の歴史の記録

SF漫画と言ってこの作品を思い浮かべない人はいないでしょう。 というか、超人ロックを読んでいない人は、もったいない、損をしていると言いたい。 というか、これから超人ロックを読むことが出来る、ふれることが出来るというのは羨ましいとも言えます。 全巻読めば100冊ほどもあるのでしょうか。 長編漫画としては珍しく、連載誌が休刊廃刊してしまったため、次々出版社も変わってしまい、連続して一つの長編としての連載が出来なかったという事もあります。 だから全部を通して読む事は出来ません。 で

『ダーウィン事変 うめざわしゅん』ヒューマンジーという新しい種の先には…

人間とチンパンジーの中間というか、ハーフ?(こういう言い方をすると差別だと言われるのかもしれませんが、どう表現するのが正しいのかわからない)この作品の中では「ヒューマンジー」と呼ばれることとなるチャーリーと、その同級生であるルーシーを軸に物語は進みます。 「人間とは何か?」―― これは、古今東西の哲学者や思想家が問い続けてきた根源的な命題です。そして今、漫画「ダーウィン事変」では、この問いに新たな光を当てています。どのような結末を迎えるのか楽しみな漫画の一つです。 舞台は

『マイホームヒーロー 山川正輝・朝基まさし』誰がシリアルキラーか?

この物語はタイトルの通り、マイホームのヒーローの物語です。 マイホームつまり自宅でのヒーローというと、子供にとっての親。 親は子供にとってのヒーローである。 それは、ある程度の年齢までは当てはまるかもしれませんが、子供が成長すれば親はいつの間にかヒーローではなくなっていくものです。 と言うのが、ごくごく一般的なマイホームでの物語ですよね。 でも、この物語では、初っぱなにお父さんが娘が彼氏と付き合っていることを知りショックを受けた後、その彼氏が娘を殺してしまうかもしれないとい

『ツワモノガタリ 細川忠孝』 幕末最強の剣客を描いた群像劇

SFとか、ミステリとか、ホラーとか、そういう全く想像の世界での話もスキなんだけど、歴史的事実を元にした、時代物も結構好き。 というか、昔からおばあちゃん子だった影響で一緒に時代劇を見ていたからか、チャンバラものが好きなのはそのせいかもしれません。 そして、今回紹介する『ツワモノガタリ』は新撰組が主人公の物語ですが、タイトルからもわかるように、強者(ツワモノ)が語る(カタル)話となっています。 新撰組の隊士の面々が飲み会の席で、自分が闘ってきた相手でツワモノだった相手について

小説の天才から将棋の天才へ『龍と苺 柳本光晴』

この作者を初めて知ったのは『響~小説家になる方法』という漫画で、天才的な小説を書く女子校生の物語ですが、小説の天才だけど小説ではなく漫画でその天才性を表現するという、漫画だから出来る小説の描き方だったわけです。 が、今回は将棋の天才の女子中学生が主人公です。 天才というのは、努力して天才になるわけでなく、才能があるから天才なのだけど、天才なりに将棋で勝つために、努力はします。 現実に最年少で将棋の記録を塗り替え続ける棋士が現実にいるわけですから、もしかすると、更にとんでもな

銀行は賭博場『ジャンケットバンク 田中一行』

現在連載を一番楽しみにしている漫画と言っても過言では無いこの漫画、『ジャンケットバンク 田中一行』を皆さんは読んでいるでしょうか。 このマンガは、銀行が経営する裏カジノ(というか裏の賭場)でのギャンブルをギャンブラー同士の闘いと、それを仕切る銀行員同士の闘いを描いたマンガなのです。 ギャンブル漫画としても面白いし、ある意味まともなギャンブルは何一つありませんけど、特殊ルールによる特殊ギャンブルでの駆け引きというのは、この作者の前の作品である、ダーツによる命を賭けたギャンブルに

拳に願うものは何だ「ケンガンアシュラ」「ケンガンオメガ」

【私の3大格闘漫画に仲間入り!】ケンガンオメガを読んだら止まらない!皆さん、こんにちは! 最近、格闘漫画熱が再燃している私です。 これまで読んできた中で、「修羅の門」と「グラップラー刃牙」は私の中で格闘漫画の二大巨頭として君臨していました。 しかし! 「ケンガンアシュラ」との出会いが、すべてを変えました…! 「ケンガンアシュラ」は、サンドロビッチ・ヤバ子先生原作、だろめおん先生作画による格闘漫画。企業が巨額の利益を賭けて闘技者を戦わせる**「拳願仕合(ケンガンジアイ