「100人ナンパ失敗して気づいた!それでも人生は楽しめる」 ~ 論理療法創設者エリス
アルバート・エリス
現代でも最もカウンセリングで効果が高い理論&実践の一つである「論理療法&認知行動療法」の創始者、アルバート・エリス。なかなかぶっ飛んだお人柄&ぶっ飛んだエピソードも多い。
※(Wikipediaによると)
心理療法で「最も影響を与えた人物」第2位。
(フロイトより上)
1位:カール・ロジャース (来談者中心療法)
2位:エリス (論理療法)
3位:ジークムント・フロイト (精神分析)
1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。
(エリス少年19歳)100人ナンパして全敗!
⇒わかったこと(それでも人生は楽しめる)
女性と話するのが苦手な
シャイな少年であった19歳のエリス少年。
でもエリス少年はあきらめず、
「行動を変えれば」と公園で
100人ナンパにチャレンジ。
(しかし全く実らず全敗)
モテないけど、天才的頭脳を持っていたエリス少年、
悟りを開いたように新しい理論の芽を産みだす。
(フラれたって)
「怖ろしいことはなにも起こらないよ!」
(フラれたって)
「人生楽しめるよ!」
非モテ拗らせ男 ⇒ 悟りから天才的理論が生まれ…
全世界で悩める人々を救う理論・実践が誕生
論理療法
ABC理論
A:Activating event(出来事)
B:Belief(信念、固定観念)
C:Consequence(結果)
出来事(A)があって結果(C)があるのではなく、
間に信念体系(B)による解釈をはさんで、
結果(C)である、感情や行動の反応、
すなわち、不安や怒り、不適応な行動が生じる[7]。
しかし、人は原因はBではなくAであると信じているので、あきらめてしまいがちである[7]。しかし、受け止め方に含まれている非論理的な信念をイラショナル・ビリーフと呼び、それが論理的に非合理的であることを理解して粉砕することを目的とする[7]。このような過程が論駁(D)である。
D:Dispute(論駁)
E:Effect(効果)
ABCD理論と呼ぶこともある
イラショナル・ビリーフ
イラショナル・ビリーフ(非合理的な信念)は「~ねばならない、~すべきである」という信念から起こっており、これが人々を情緒的に混乱させている[9]。
情緒的に混乱し、不安や落ち込み、怒りなどがあるときには、自分は非科学的に思考していることが仮定できる[10]。たとえば、イラショナル・ビリーフは以下のような特徴がある
事実に基づいていない 「親切にしたら必ず返ってくる」「試験に不合格ならホームレスになってしまう」
柔軟的ではない/論理的ではない 「ここで失敗したら、一生うまくいかない」
証明できない 「常に一番にならなければならない」
幸せな結果をもたらさない 「怒りに怒りで返す」
関連書籍メモ:
エリスの影響を受けてることを冒頭に述べていた。(エリスほどエキセントリックではなく、穏やか・まろやかにまとまってるが…その分、薄め。)
お薦め度:3/5 (プライムリーディングで1月1日読了)
参考サイト①
推論(自動思考、捉え方)ではなく信念(ビリーフ、人生哲学)を変える
参考(エリス博士インタビュー)
翻訳 アルバート・エリス博士へのインタビュー : マイケル・S・ニストゥル
かなり興味深いインタビュー。
元非モテ男エリス大先生、まずはセックスカウンセリングで大成功。
カウンセリング実例がなかなかすごい。
悩める27歳女子に「お前の間違った信念だ!」と強烈に言い聞かせ、替え歌唄わせてのハードトレーニング…大成功。
ちなみに替え歌の一つは
「鬼のパンツ」
(フニクリ フニクラ)
日本語歌詞(鬼のパンツ)
- - - - - ♫かし♫ - - - - - - - - - -
おにのパンツは いいパンツ つよいぞ
つよいぞ トラのけがわで できている
つよいぞ つよいぞ
5ねんはいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
10ねんはいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
はこう はこう おにのパンツ
はこう はこう おにのパンツ
あなたも あなたも あなたも あなたも
みんなではこう おにのパンツ
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
PERFECT RATIONALITY (Funiculi, Funiculi by Luigi Denza)
Some think the world must have a right direction,
And so do I! And so do I!
Some think that, with the slightest imperfection,
They can't get by and so do I!
For I, I have to prove I'm superhuman,
And better far than people are!
To show I have miraculous acumen And always rate among the Great!
Perfect, perfect rationality Is,
of course the only thing for me!
How can I ever think of being If I must live fallibly?
(エリス先生作詞の日本語訳)
ある人たちは,世界はあるべき方向に
向かわなければならないと思っている
私もそう思う!そうあるべきだ!
ある人たちは,わずかな不完全があれば どうしようもないと思う
―私もそう思う!
私は一般の人々よりもはるかに優れた
超越した人間だということを証明しなければ!
私が奇跡の才能を持つことを示すためには
いつも私は偉大な人間だと評価する 完璧,完璧なる理性よ
それはもちろん,私の唯一無二のもの
間違いのある人生なんて,想像もつかない
理性は私の完璧なるものなのだ
「支援的ユーモア」と言うらしいが、世界中で再現実験成功の論文が出てくるあたりが、エリス大先生の天才さなのかな。
羞恥プレイ
上記悩める27歳女子への対処方法としてインタビューとして語っていること:
「私は論理療法の本質的な部分である問題解決技法を用い,魅力的で興味を持てる男性と出会ったり,採用の面接に行くといっ た,彼女が大きく不安を持つ実際の問題についてどうすればいいかを示しました」
「彼女は私が考案したことで知られる羞恥心粉砕法を使い,ニューヨークの地下鉄 の駅で叫んだり,道端で大声で歌うといった滑稽なことを,それをしている間でもなんと か恥ずかしくならないように実践しました」
その結果27歳女子は「私はすてきな男性と出会いたいと思うけれど,絶対にそうしなければならないってことではないわ!」と叫ぶようになり…複数の男性友人が出来るようになり、学校の先生として働けるようになった…らしい(凄い…)
エリス先生からフロイト派へのコメント
「フロイト派のいかなる種類の精神分析は,今まで 考案された心理療法のなかで最も非効率であり,クライエントに対してよい面は少なく, かえって害を多く与えるという考えに至りました。シグムント・フロイトは非効率性の遺 伝子を持つ反面,私は効率性の遺伝子を持つようです。それで,論理療法は効果的で効率 のよい心理療法の形になるように試み,何年にもわたる変化への柔軟性を持ちながら,効 率性の部分は維持されてきたと思います。」
エリス先生からアドラー学派へのコメント
「アドラー心理学の持つ大きな利点としては,クライエントが混乱したり感情的な問題を抱える原因は,その人の持つ人生哲学や思考にあり,アドラー派はそのような哲学や思考がいかに残念な結果を導くことを直接的に示し,より実際的,現実的で分別のある姿勢にいかに変えていくかをクライエントに示すことです。一方,不利な点は,人間の過去について過度に反芻するところです。私の考えでは,それはクライエントが持つイラショナルビリーフの形成にはさほど大きな影響を持っていないからです。アドラー心理学は,子どもの惑乱の大きな原因として,きょうだいの順番を強調しすぎているきらいがあります。論理療法では,家族状況やほかの環境は子どもや成人に影響を与えると考えますが,そ れが感情的問題を引き起こす必要条件であるとは考えていません。惑乱は,主に人々が人 生の状況全般にわたって自分自身に信じさせている独断的思考によって生じます。人は社 会的傾向同様に生物学的にもイラショナルで絶対的な思考を作り上げてしまう傾向を持っ ているのです。 アドラー派は,多くの部分において,人々の基本的な不合理的思考を変えて援助するた めの最も有効な情動的技法や行動的技法について関心を持っていないようです。思考を変 えることで,非機能的行動を確実に変えることができます。しかし,クライエントが強く 行動を変えるためのリスクを取ることに強く勇気づけられている際は,どれだけ変化によ る不快を感じても,行動の変化は深遠な哲学的変化をもたらすこととなります」
エリスの死生観
※いいなって思うエリスらしい死生観(実際には90代まで長生き)
エリス:私は 40 年以上,セックスセラピーや結婚,家族に関するセラピーとともに,心理 学研究と心理療法の実践を行ってきました。いま 71 歳ですが,今もなお人間の惑乱と,そ れがいかに改善されうるのかについて,強い関心を持ち続けています。大抵,午前 9 時 30 分から個人またはグループの心理療法を午後 11 時まで行います。また,大きな心理療法研 究所を管轄し,ニューヨークや全米の多くのよき心理療法家に対するスーパービジョンを 行い,アメリカあるいは海外で講演やワークショップを行い,毎年 20 本の論文,1 ~ 2 冊 の本を執筆しています。これらの全ての活動を,ビーチで寝そべったり,観光したり,ロ マンティックな小説を読むことよりも,本当に心から楽しんでいます。30 年間糖尿病を 患ってはいますが,この良好な健康状態が続けばと願っています。そして,10 年か 20 年 してサドルにまたがった状態で死を迎えるのです。 以前は,少なくとも 100 冊の本が未完成のままで最期を迎えるのはいやだと感じて,現 実を受け入れるのがフラストレーションでした。私は永遠に生きて,人間の惑乱,幸福に つながる道,永遠なる自己実現について探求し続けることを望みますが,そうはうまくい かないでしょう!そう遠くない時期に,私は旅立つでしょう。ちくしょう!しかし最悪と いうほどのことでもないがね!
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