【51本目】「黒牢城」読後感想
「黒牢城」(米澤穂信)
「黒牢城」という小説を読みました。図書館司書さんに、「置いてみたけどなかなか借りられない」との話をうかがったからです。司書さんはほんのスペシャリストですのでこれはチャンスなのでは?と思い借りました。司書という仕事の専門性の高さは、以前、「図書館に訊け!」(ちくま新書)を読んで、全幅の信頼を置いていましたし、仕事柄どの司書さんと話しても、的外れな本を薦められた!という経験は皆無です。
そこで今回の「黒牢城」を読むことになったのですが、あたりでした。
ミステリーが面白い
読み始めたら、「なるほどこれは面白い」となりました。ここから先事件を少し書きます。
理由は、城内で殺人事件が起こるのですが、これがなんとも不可解な事件だったからです。見張りがばっちりの捕虜が弓矢で射殺される事件が起こります。しかも矢傷の後であるのは明白なのに凶器の矢は見つかりません。一体犯人はどうやって被害者を仕留めたのでしょうか。
物語が進むにつれ、事件の全貌があきらかになります。個人的には、「この事件の謎を帯に書くだけで購入者が増えるんじゃないの?」と思ったほどです。読後30分くらいで一気にのめりこめました。
全部で4章くらいからなりますが、各章で事件と解決、物語全般を通した謎解きもあり、非常に面白く読めた作品でした。
私自身は漫画「へうげもの」を読んでいたため、登場人物の名前も少しは覚えており、「この人はこんな人」というイメージもあったためなおさら面白かったです。
特に、謎解きの助言をしてくれるのが黒田官兵衛というところも胸が熱くなります。相当の切れ者で、知略に長けていることくらいは聞き及んでいました。
「氷菓」の作者さんでした
あまりに面白かったので、作者紹介を見てみると、「氷菓」の著者様でした。
私が「氷菓」を知ったのは、京都アニメーションでアニメ化されたのがきっかけです。
「けいおん!」を見て京都アニメーションを知り、京都アニメーションの作品なら、と見た作品もありました。「化物語」などはハマって西尾維新展にもいった覚えがあります。
話がそれましたが、「氷菓」のアニメも見たときにも感じたのは「よくできたミステリーだなぁ」という感想だったのを覚えています。京都アニメーションの絵柄が可愛くて視聴し始めましたが、深まる謎と、終盤で題名が「氷菓」である意味が分かったときには思わず何回も画面の前で縦に振った覚えがあります。
まとめ
「黒牢城」を読んでみたら、思いの外謎解きが面白かったという記事を書きました。
読んでみて改めて、「図書館の司書さんは慧眼だなぁ」と思います。そして実績のある作者さんはやはり面白い作品を書くのだなぁ、とも思いました。
今こうして自分の日々のことを書いていて思うのは、「読ませる文章を書くことは本当に難しいということです。
なぜなら自分ならこの記事の冒頭も見ても、一瞬で戻るキーを押下する自信があるからです。しかもこの記事は現時点で1500字にも達していません。
始めはこんなもんだろうと思いながらこの記事も書いています。
それでは明日も良い1日をお過ごしください。