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Mei&Me(原題:僕と笠原メイ)
2018年1月5日 11:20
「ブランコ」寂しがり屋の少年はブランコを漕ぐと宇宙に行けたあれが火星で、あれが水星でブランコを強く漕ぐと地球がぐっと離れてゆくでも寂しくて、少年はブランコを降りれなかった月に一歩をつけられないまま5時のチャイムが宇宙に響く「電話」夜が明けるまで君と話した 受話器を握りしめて新聞屋さんのバイクが来ても牛乳屋さんの車が来ても語り尽くすことがな
2018年1月5日 11:17
「答え」 優しさの種類は50個くらいあって 愛の形は100個くらいあって 僕らはそれを日々 選択しながら生きているような気がする だからこれが優しさ これが愛という 答えは重要じゃない 「ダンス」 狂った星空のダンスフロアで君と踊るんだ 花の中でうずくまる少女の思想 壊れた瞳には君しか映らない 「天秤」 愛の重さにビビってしまったり 愛
2018年1月5日 11:16
「夢」 もし夢が叶うなら、世界の端から端まで、誕生日の人を祝って旅をしたい、プレゼントを渡して、優しくハグをして、ケーキに年の数だけロウソクを立て、毎日、大切な時間を 過ごしたい。光のある暮らし。 「夢2」 少女の見る夢の結末はいつも同じだ、パフェのように崩れる観覧車の中で、少年の手を握るとパッと目が覚める。観覧車の中は電話が鳴りっぱなし。観覧車の中はリンゴの香り。名前も声も知らな
2018年1月5日 11:14
「終わり」 ソフトクリームが溶けて、指をつたわる、ペロリと舐める。犬のような笑顔。夏を置き去りにして、自転車を漕いでいる。夕暮れ空は絵の具のようだ。夜は蜂蜜のようだ。手元にはクイーンとキングのカードが一枚ずつ残った。夜が明ける前に、感情の線を切らなければならない。 「口癖」 彼女は美しい言葉をたくさん知っているのに、ぶっ殺す、が口癖だった。しかし彼女の唇を震わせるだけで、そんな言葉も時
2018年1月5日 11:12
魔法も奇跡もない国で、少年は少女を幸せにしたかった。一緒に暮らしたかった。だけど少年の頭は狂っていた、少女は少年を嫌な顔で見た。吐瀉物を見るような目で見た。馬鹿にしていた。少年は狂っていたからその事にも気づかなかった。少年は少女を幸せにしたかった。 赤いタンバリンの音が永遠を演奏している横で、無理するなよって笑いながら男は女に強い酒を勧める。生きている事が似合わない奴もいる。ジャニスやジミヘン