話題になっただけで、売上げにつながらなかった。それはなぜ?
SNS上でRTやいいねがたくさんついて、多くのクチコミが出て、話題になった。
だけどGoogle検索数や売り上げにはあまり影響がなかった…なんで?
マーケティング、広報担当者であれば、上記の経験をされた方もいると思います。
そんなクチコミ創出と売上げ貢献の関係について本記事で述べていきます。
そもそもクチコミが多く出れば、売上げも上がるのか?
実際にTwitter社は10%の会話の増加が3%の売上増加に繋がったと発表しています。
さらに、マーケティングを研究する横浜国立大学の鶴見氏は、ツイート数が増えることで購買点数が増える研究結果を出しています。
Twitterが中心のデータではありますが、ソーシャルメディアでクチコミ(ツイート)が増えれば、売り上げにつながるといったデータは存在しています。
よし、じゃあみんながツイートをしたくなるようなキャンペーンや話題作りをすればいいんだな!
と思うかもしれません。
どんなことでもツイートされれば、それでいいのでしょうか?
たとえば下記2つのクチコミ。
①【○○フラペチーノVS△△フラペチーノ】私は○○フラペチーノが飲んでみたい!生クリームがチョコで美味しそう!
②【○○フラペチーノの名前考えてみた】1350キロカロリーフラペチーノ!
どちらのクチコミを見たら、自分も食べてみたいと思うでしょうか?
間違いなく前者ですよね。
短期的な売上げにつながりやすいのは、商品の訴求点と結びついているクチコミです。
こちらのキャンペーン覚えていますでしょうか?
#名前募集バーガー
すごく話題になりましたよね。
しかし後日、当時日本マクドナルドのCMOであった足立氏は下記のように語っています。
大喜利でもなんでもクチコミを出せば、すぐ売上げにつながるわけではないことがわかると思います。
「商品の訴求点と結びついた」クチコミがでること これがわかりやすく売上げにつながるクチコミです。
そこで一部の方は思うかもしれません。
クチコミが出づらい商材や、すぐに購入に繋がらないはどうすればいいんだ?と。
たとえば自動車保険。
自動車保険は車の購入時や更新時のニーズが発生する時までなかなか加入意向を作りにくい商材です。
保険に入ってみたいクチコミを出すのは難しく、利用後の感想も一部の事故など不運なものに巻き込まれた方々が多く、その人からクチコミを出すのは得策ではありません。
商材や商品の種類によって狙っていくべきクチコミの種類が変わる。
商品の訴求点に結びついているクチコミと結びついていないクチコミが、売上げにどのように影響を及ぼすのか、またそれらを出すにあたり向いている商品の種類(新商品なのか、既存の知れ渡っている商品なのかなど)や商材を整理しました。
(個人的な見解で整理したため、当てはまらないものも存在すると思います)
図の通り、商品の訴求点に結びついたクチコミ創出は全ての商品に向いているわけではありません。
向いている、向いていないと記載するのは、やろうと思えばできますが、多くのクチコミを出すことが難しいという理由からになります。
・「売上げへの影響」
・「クチコミ創出に向いている商品の種類」
・「クチコミ創出に向いている商材」
をそれぞれ解説していきます。
「売上げへの影響」
商品の訴求点に結びついたクチコミ創出が短期的に売上げに貢献することは言うまでもありません。
では、長期的に貢献するとはどういうことか。
クチコミはストックされていき、ある時ある人がその商品名のハッシュタグで検索をした時に、メリットやポジティブな感想が書いてあるクチコミが出てきたら購入の後押しになります。
また、自分の知人やフォローしている人からのクチコミを見ることで、そのクチコミされていた商品、ブランドの好意度や親近感って上がりますよね。
好意度や親近感が上がることで、想起率上昇に寄与することができ、結果的に商品が選ばれやすくなると思われます。
この好意度や親近感上昇は商品の訴求点に結びついていないクチコミでも、行うことができます。
たとえ、大喜利のようなクチコミでもクスっと笑ってもらえ親近感を感じてもらえたら、すぐには購入してくれないかもしれませんが
将来その商品カテゴリーでニーズが発生したときに選んでもらえる可能性が高まります。
先述した、#名前募集バーガー でもすぐ食べに行こう!とならなくても、今日はハンバーガーの気分だなーどこにしようかなー
と思った時に そういえばこの間の面白い名前出てたマクドナルドのハンバーガーあったな! となり、長い目では売上げに貢献すると考えます。
「クチコミ創出に向いている商品の種類」
新商品や未認知商品がその商品の良いポイントを知ってもらうことで、購買へとつながることは容易に想像ができると思います。
一方でカップヌードルのような誰もが何度も食べたことがあり、味を知っている場合はどうでしょうか?
いまさら、カップヌードルの醬油はさっぱりしていて美味しい! と言われたところで 知ってるわ! ってなりますよね。
そういった商品は商品の訴求点とは違うクチコミを出す方が向いています。
カップヌードルさんのCMやキャンペーンって面白ろおかしい内容が多いと思います。
有田焼の蓋も話題になりましたよね。
もう味も知っていれば、面白おかしいキャンペーンに触れ、最近カップヌードル食べてないなと思って、コンビニで見かけたときに買おうってなりますね。
当たり前のことかもしれませんが、大衆に既に広まった商品はカップヌードルさんと同じように企画事態のクチコミを出すことを狙うべきだと考えます。
「クチコミ創出に向いている商材」
例としてあげている保険やSUUMOなどの不動産仲介サービスは、どちらもサービス利用を起点とするクチコミが出にくく、
さらにニーズが顕在化するまで商品、サービス理解してもらい、加入や利用意向をなかなか作りにくい商材です。
極端な例ですが、事故対応どうでしたか?キャンペーン を行ってもクチコミできるのは事故経験者のみであり、
出てくるクチコミもまだクルマを持っていない人からすれば、事故対応が~と言われてもあまりピンときません。
上述したような商材は商品の訴求点と異なるところでクチコミを創出させる必要があります。
たとえば、
ドライブデートの診断コンテンツを出し、知人の結果シェアによって知った方が楽しみ、その結果をTwitterにシェアしてくれました。
そのような体験を経て、いざ自動車保険の加入を検討した際に値段がほとんどかわらず、自動車保険を選ぶ際に名前だけ聞いたことがある会社と、
以前に話題になっていたドライブデート診断を行い、Twitterでその結果をシェアしたことがある会社であればどちらを選ぶでしょうか?
間違いなく後者でしょう。
こうした自分ゴト化まですることができた親近感や好意度はCMでもなかなか作っていきにくいと考えています。
商材の特性を理解した上でどのようなクチコミ創出を行うのかを検討する必要があります。
まとめ
ただただ、話題になってクチコミが増えれば売上げも上がる!というわけではありません。
なぜクチコミ創出をして、どんなクチコミをどのように出すのかを商品の特徴などを踏まえながら、考えていく必要があります。
既に広く使われている商品なのに、商品の訴求点に絡んだクチコミ創出をする など成果を得にくいことはやらず、成果が出る部分で勝負していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。