東洋医学講座 316
脾と肺
脾と呼吸
脾はまず人体全体の基盤であり、その中で肝気・心気・脾気・腎気という気で働いています。五気は脾体の一部を借りて自分の臓器とし、また、脾で消化・吸収された五味によって養われているので、広義の意味では脾は全ての臓器に相生していることになります。
次に、脾体は天の気を肺を介してとり入れようとします。現代医学でも明らかにされているように、肺自身は自ら呼吸をする力はなく、横隔膜の収縮を中心にした胸郭内の陰圧の変化によって肺は膨張し、大気をとり入れています。横隔膜は、胸腔と腹腔との中央にあり、東洋医学では脾土に属します。
また、肺呼吸は全身各組織における細胞の内呼吸のためにあるのであり、内呼吸とちょうど陰陽の関係になって助け合っています。その意味では、内呼吸は「脾呼吸」といってもいいかもしれません。
このように、脾は狭義の意味では肺と相生しています。肺は天気を取り入れ。それを人体の生きようとする気としていますが、脾はそのバックボーンになっているわけであります。
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