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装丁の美


本は読書をするためのものではあるが、個人的にはもう一つ別の側面で選ぶ場合がある。
よく、レコードのジャケットを壁にかけ、アート的に使うのを見かける。
それと同じように、本の装丁の美しさを基準に選び、インテリアとして使うことがある。
いわゆるジャケ買い的に選ぶわけだ。

それらは、最近の書籍ではまず選ばない。
決して美しくないわけではないのだが、デザイン性の高さでは、和洋問わず古書の方が圧倒的に優れている。
よって、神保町あたりにある古本屋に行き、ある程度古い本から選ぶことになる。


日本経済新聞朝刊の文化面に、先週から「奇装十選」と題し、際立った装丁の本を紹介している。
いくつか抜粋してみる。




ここまで凝ったものを必ずしも求めているわけではないが、これはこれで欲しいし、このようなデザイン性があるものを探し求めている具合だ。

そういう意味では、意外と絵本も多く持っている。
先日亡くなられた、なかがわりえこさんの「ぐりとぐら」もちゃんとある。
改めてページを繰ってみると、あの大きなカステラの絵が、非常に単純に描かれているにもかかわらず、極めて美味しそうに見えるのが実に不思議だ。

本は、文字を読むものでもあるのと同時に、単純に視覚に捉え、想像する力と美的感覚を養う、非常に優れものである。


と、わかっていながら、半分は本棚にギチギチに押し込め、半分は平積みタワーを建設し、美しさのカケラもない部屋と化しているのが現実だ。
絵本の世界にありそうな、寝ている間にコビトたちが美しく整然とした部屋に作り替えてくれないかと、起きる時にたまに思うのだが、ギチギチと押し込めた中からは、いかにコビトでも出てはこれないらしい。

コビトさん、そこをなんとか頼みますよ。


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