CITY POP ⭐️🎵 80年代 シティポップを代表する２大アルバム

こんにちは、Hideです♪

前回に引き続き若い頃に聴いていた、昭和のシティポップを紹介したいと思います。

70年代と比べると、バブル景気の影響もあってか、明るく煌びやかな曲調のものが増えてきたかなと感じます。

大体シティポップなる言葉が一般的に使われ始めたのが、80年代ですから70年代のそれに関しては後付けということになりますね。

まぁそんな私の感想などはどうでもよく、シティーポップは景気の良かった時代の中で楽しく過ごす為に、傍にあった必須アイテムでしたYOね。

そんな煌びやかな時代を彩ったシティーポップをバブルの勢いそのままに、全開で紹介していきますね。

80年代を象徴するイラストレーター鈴木英人　ポストカード

80年代初期　シティーポップを代表する　２枚のモンスターアルバムが誕生した🎵

今回は80年代のシティーポップを語る上で、避けては通れないというか、これを除いてはシティポップは語れない２枚のアルバムを特集していきます。

わかりやすく例えれば80年代の洋楽を語るときにマイケルジャクソンの「スリラー」を除いてしまうくらいに、日本のシティポップの中でこの２枚を外すことはできない位の名盤中の名盤。

まさに日本の音楽史に金字塔を打ち立て、今なお輝き続けている作品です。

まぁちょっとテンションが上がって前置きが長くなりましたが〜

名盤の２枚ともに発売は1981年です。

発売時期もほぼ同時期ですが、毛色の全く違う両アルバムですが、それぞれある意味異色であり、何か音楽にかける熱い思いが二人のアーティストから感じられる作品になっています。

最初に紹介する「リフレクションズ」を発表した寺尾聰は、フォークグループやグループサウンズ出身で、昭和の偉大な俳優宇野重吉の息子でもあります。

そんなことから俳優になったみたいですが、やはり本人の中には音楽に対する情熱が残っていたのですね。

二世俳優としてではなく、自分らしさを音楽で表現したいという強い欲望から出来た作品では無いかと感じています。

「Reflections」 / 寺尾聰　　1981年4月5日発売

昭和の男のダンディズムを感じさせた「リフレクションズ」

1981年オリコンにて年間1位を記録

オリコン調べでは、1年間で160万枚を越すセールスを記録したモンスターアルバムです。

史上初の週間売り上げ10万枚超えを達成している。

収録されている3曲もヒットし、その中の「ルビーの指輪」はシングルとして

134万枚を売り上げ、81年の音楽賞を総なめにしている。

他の2曲のシングルも合わせると、アルバムシングルで年間で380万枚を売り上げたことになる。

昭和後期の当時としては、とてつもない数字だ。

全10曲を寺尾聰自身が作曲　俳優だけではなく音楽的才能も開花させ大成功を収めた。

寺尾は、俳優としても日本アカデミー賞やブルーリボン賞も受賞しているので、歌手と俳優の二刀流で成功した一人である。

80年代初頭、このアルバムと、大瀧詠一のロンバケは同時期に爆発的にヒットしセールス記録もモンスター級であった。

寺尾は当時人気刑事ドラマ「西部警察」（79年10月より放映開始）に西部署の大門軍団の刑事役でレギュラー出演していた。

このドラマは大人気で84年までパートを分けて継続されていた人気シリーズだった。

寺尾はその撮影の多忙な合間を抜って作曲やレコーディングを行なっていた。

寺尾は元々カレッジフォークのザ・サベージでベースを担当していて、その後はザ・ホワイトキックスというグループサウンズにも所属していて、俳優になる前はミュージシャンとして活動していた。

当時高校生だった私は、いつも西部警察の大門軍団にいる地味な刑事役のおじさんが、なんで突然歌なんか歌っているんだよ〜とびっくりしました。

おまけにエレキギターまで弾いて、いう不思議な気持ちがしたのが最初の歌手寺尾聰の印象でした。

この中でも私が好きだったのは、アルバムより8ヶ月年早く発売された「SHADOW CITY」だ。

タイトル通り都会の大人の恋の歌だが、決してイケメンではない地味な目立たない男が、低い甘い声で歌ったのが逆に渋さが出て良かったのかも知れない。

ドラマ人気で認知度だけはあったので、ドラマとのギャップもまた音楽を盛り上げるのに効果的だったのかと感じる。

この曲は、半分が「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥ〜♪」みたいなスキャットで構成されている。

それもまた渋く格好良かった。

昭和の男のイメージは、寡黙であることが格好良い時代だったので、それもウケた要因ですね。

このアルバムの中には3曲のシングル曲が収録されているが、その中の1曲で一番売れた「ルビーの指輪」は、売れに売れその年のレコード大賞まで受賞した。

他にアルバムのラストを飾るシングルにもなった「出航 SASURAI」もまた男のダンディズムを感じさせてくれる曲で私も好きだ。

最近もCMソングとして40年以上の時を超えて、多くの人の耳に届けられている。

結局、このアルバム収録のシングルは3曲ともヒットチャートに入り、ベストテン内に3曲同時チャートインという快挙も達成した。

私もこのシングル3曲とアルバムはよく聴きましたね。

高校生が聴くにはちょっと渋すぎたが、大人の世界を垣間見れたのと昭和チックな男のダンディズムに憧れた面ももあったのでしょうね。

とにかく高校時代の思い出として記憶に深く刻まれているアルバムでした。

『A LONG VACATION』 / 大瀧詠一　1981年3月21日発売

日本の音楽史に燦然と輝く金字塔を打ち立てた名盤『A LONG VACATION』

1981年オリコンLPチャート年間2位

1981年日本レコード大賞　ベストアルバム賞受賞

販売枚数は発売から1年間で100万枚を記録

その後、記念アルバムなども含め2020年までの累計層売上枚数300万枚を誇っている。

日本音楽史に燦然と輝く、永遠に色褪せない名盤である。

このアルバムの発表後、年数が経過しても何人ものアーティストが収録曲のカバーをしたり、テレビCMに起用されている。

このアルバムの収録曲がいかにキャッチーで数多くの人に愛されたかがお分かりになるでしょう。

アルバムジャケットにはイラストレータの永井博を起用し、見事にアルバムのコンセプトにマッチした夏の風景を描いている。

音楽も良いがこのアートワークも大瀧の代名詞であるロンバケをより一層素晴らしい作品にしたと言えるだろう。

しかしアルバム自体は爆発的なセールスは記録するが、収録されているシングル曲はそれほど売れていない。

収録曲のシングルはチャートにおいて全曲トップテン入りしていない。

そこが前述の寺尾とは違う点だ。

これだけ爆発的に売れたアルバムなのに…

ある意味不思議な現象である。

故に、この「ロンバケ」というアルバム収録曲１０曲が一体化してひとつの作品と見て良いのだ。

本に例えればシングルは、短編なの小説で、アルバムは長編大作といった感じでは無いかと感じる。

10曲で１作品という見方をすれば、一部だけを抜粋した物は売れるはずがない、だって10曲揃って初めて一つの作品になるのだから。

これは、アルバムとしてのストーリー性を整えた作品であるからなのだと感じている。

曲順は、曲と曲が物語で繋がっていて、最後の曲まで聴いて一つのストーリーが完結するといった具合だ。

これは私なりの感想と解釈でしか無いが、そう思いながらこのアルバムを聴くとまた一層違った味が出る作品でしょう。

このアルバム発表後の1997年に松たか子主演のドラマの主題歌でもある「幸せな結末」がオリコン2位を達成し、大瀧のシングル最大のヒット曲となった。

ロンバケは、81年の発売以降一度も廃盤になっていない。

アルバム制作者の大瀧が亡くなってから今もなお多くのオーディエンスから愛され聴き続かれている名盤中の名盤だ。

ジャンルを超えて日本音楽市場にも燦然と輝く金字塔とも言える作品です。

もはや大瀧の作品をシティーポップ扱いにしてはいけない。

大瀧詠一は元々日本のロック創世記に活躍したはっぴいえんど【ベース：細野晴臣（その後YMOで活躍）、ドラムス：松本隆（その後作詞家に転身して多くのヒット曲に参加している）、ギター：鈴木茂（その後アレンジャーやセッションミュージシャンとしてか活躍）、ギタ＝＆ボーカル：大瀧詠一】に所属していた。

のちにはっぴいえんどのメンバーは松田聖子へ詩や曲を数多く提供していて
、はっぴいえんどの方向性や音楽性が聖子へ受け継がれている。

だって大瀧は自分なりに研究に研究を重ね、良い音を追求した結果ナイアガラサウンドという独自の録音手法を編み出し、それは山下達郎や多くのミュージシャンにも大きな影響を及ぼした。

ユーミンや永ちゃんと同様、もはや大瀧詠一🟰ナイアガラサウンドという一つのジャンルを確立したと言えるだろう。

大瀧の提供曲である松田聖子の「風立ちぬ」、森進一の「冬のリヴィエラ」小林旭の「熱き心に」にもナイアガラサウンドが使用されている。

「ロンバケ」は前述の「リフレクションズ」の発売の約2週間前に発売された。

本来は前年の7月か8月に発売を予定していて、既に当アルバム発売前年の80年にはレコーディングには入っていたが、大瀧からの要望で詩を松本隆に依頼していた。

そんな時、松本の妹が急に亡くなり、詩を書ける精神状態では無かった為、松本が詩の制作を辞退しようとしていた。

大瀧がどうしても詩は松本に頼みたいとの思いから、詩を書ける状態になるまで待った結果、発売が翌年になってしまったというエピソードが残っている。

もし、松本隆の妹が亡くなっていなく、予定通り80年に松本が詩を書いていたら、また違った作品になっていたのではないだろうか。

しかし、妹が亡くなったことで松本の詩の世界観が変わったとも言えるので、「恋するカレン」や「さらばシベリア鉄道」などの哀愁漂う詩は描けなかったのではないかと、私なりに解釈している。

ある意味大ヒットアルバム「ロンバケ」は、松本隆の妹が兄を通じて自分の残したかった思いが、このアルバム内の曲に伝わり、最高傑作に至ったのかもしれない。

もし松本以外の作詞家が書いていたら、ここまでのセールスを記録して、何十年もの長い間多くのオーディエンスの心に残り愛されるアルバムになっていたかはわからない。

大瀧の今度こそ音楽家として成功したい売れたい、という熱い思いと、色んな偶然や運命が重り、日本の音楽史に永遠に残る作品が生まれたのだと感じている。

都会を舞台にした寺尾の「リフレクションズ」とは全く違う、リゾート地を舞台にした夏を象徴するサマーリゾート向けの名盤である。

夏に聴く音楽＝『A LONG VACATION』 という方程式は、私と同世代の中には強くあると思う。

サザンや達郎、チューブなど、夏を代表するミュージシャンが素晴らしい作品を数多く残しているが、トータルで見てこのアルバムに敵う夏の定番アルバムは無いと確信しているのは私だけでは無いはずだ。

私がこのアルバムで好きな曲は〜オープニングの好きな女の子に向けて歌った軽快なラブソングの
「君は天然色」

都会の喧騒を逃れ静かに時間が流れていくバカンスを過ごす様子を描いた「カナリア諸島にて」
歌詞にある「風も動かない〜」というフレーズがのんびり過ごしたい気持ちを見事に描写している。

夏の雨の日を描いた
「雨のウェンズデイ」
夏の雨の平日に恋人と気持ちが噛み合わない様子が、大人の恋の難しさが伝わってくる。
曲にマッチした気だるい中に夏の合間の雨の日を連想させるアレンジとサウンド作りが最高だ。

ゆったりした浜辺の様子を自分の気持ちが届かない恋に絡めた
「スピーチバルーン」
も夏の午後にアイスティーでも飲みながらゆっくり聴きたい曲だ。　

「恋するカレン」
はこのアルバムの中でもアグレッシブな感情が見える一曲で、アルバムの中で良いアクセントになっている。

この大作アルバムを締めくくるのは、寒い冬の様子を描いた
「さらばシベリア鉄道」
夏のリゾート地から、いきなり最後は寒くて雪が吹雪く情景になる。
この締めくくりは、何とも言えない抒情的な感じがする。

「さらば〜」は太田裕美への提供曲のセルフカバーである。

夏の日のゆったりとしたビーチや、雨の日の海沿いのドライブを描いて、最後は、シベリアかいと一瞬思ってしまうが…

大瀧の中に最後は、夏とは程遠い冬の土地の曲で閉めたいというストーリーがあったのでは無いかと私の中で勝手に想像を巡らせている。

夏のリゾート地は人生のバカンスであり、シベリアは現実の世界を描いているのではと捉えている。

都会の喧騒を逃れ、休暇を楽しんだ後には、忙しくて厳しい現実にまた戻っていくという流れを大瀧はアルバムを通して描きたかったのでは…

これはあくまでも私の推測的感想です。

大瀧詠一の「ロンバケ」等のアルバムワークをデザインした、イラストレーター永井博

昭和の２大シティーポップ名盤の総評

平成になるとB'zやGLAY、宇多田ヒカルなどが現れ、「リフレクションズ」と「ロンバケ」のセールス記録も塗り替えられていくわけだが、後述の大瀧詠一のロンバケと共に現代音楽JPOPの礎になったことは間違い無いだろう。
もう自分も81年から43年が経過し、来年還暦を迎えるが、これからも夏が来る度に「ロンバケ」を聞き続けていくことだろう。
その為に、何年か前にCD化された「ロンバケ」を購入している。