どうやって自分の身体の見え方を知るのか (“動物のジェスチャー”から始まるシンボリックプロセス — ジェンドリンとミード: 5)
『プロセス・モデル』の「VII‐A シンボリックプロセス」の「(c)表象(リプリゼンテーション)」の節で、ジェンドリンは「共感」を論じる文脈において、「自分の身体がどのように見えるかを知ることができるのか」という難問を論じ、G・H・ミードが従来の順序を逆転させたと主張しています。
私が知る限りでは、彼の代表的著作である『精神・自我・社会』 (Mead, 1934) には、このテーマを深く論じた節はありません。しかし、それ以前の著作ではこのテーマについて論じられているようです。
上記の論述は、ミードが発表した論文の中の次の一節に相当するでしょう。
さらに、ジェンドリンの論述は、ミードの死後50年を経て出版された 「1914年の社会心理学講義」 (Mead, 1982)の以下の文章に対応すると思われます。
参考文献
Gendlin, E. T. (1997/2018). A process model. Northwestern University Press. ユージン・T・ジェンドリン [著]; 村里忠之・末武康弘・得丸智子 [訳] (2023). プロセスモデル : 暗在性の哲学 みすず書房.
Mead, G.H. (1910). What social objects must psychology presuppose? The Journal of Philosophy, Psychology and Scientific Methods, 7(7), 174–80.
Mead, G. H. (1934). Mind, self, and society: from the standpoint of a social behaviorist. (edited by C.W. Morris). University of Chicago Press. ジョージ・ハーバート・ミード [著]; 植木豊 [訳] (2018). 精神・自我・社会. G・H・ミード著作集成:プラグマティズム・社会・歴史 (pp. 199–602). 作品社. ジョージ・ハーバート・ミード [著]; 山本雄二 [訳] (2021). 精神・自我・社会. みすず書房.
Mead, G.H. (1964/1981). Selected writings [Abbreviated as SW] (edited by A.J. Reck). University of Chicago Press.
Mead, G.H. (1982). 1914 class lectures in social psychology. In The individual and the social self: unpublished work of George Herbert Mead (edited by D.L. Miller) (pp. 27–105). University of Chicago Press.