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若者にも聞かせたいお金のお話
お金はどうして生まれたのか
人の経済というものは、「価値の交換」が土台にあります。
つまり、魚が欲しいと思った人が、
その人の持っている肉を欲しがっている魚を持った人を探し、
「物々交換」したことがはじまりって事になります。
でも、こいつは不便だから、
共通に取り替える「基準」を作って、
魚だったら「石何個」みたいな感じで、
これを持っていくといつでも好きな時に交換できる
というシステムが生まれました。
これを「価値の保存」という言い方でくくります。
こうやってると、たくさんのものが、
自由に交換できるようになったわけです。
この基準になる「もの」が
「貨幣=お金」というものとして認められたわけです。
こういう交易の世界が広がると、
たくさんの人が共通して「価値」を認められるものを
何にするかということになります。
この対象に「金」が選ばれたわけですね。
ちょいと前までは、すべての価値の基準が「金」にあったのです。
これをもとにして「貨幣制度」が生まれました。
歴史の教科書にも出てきますが、
これを「金本位制」というんです。
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金本位制ってなに
このシステムは、世界の中央銀行が
保有している金、もしくは銀の「預かり証」
という形態から始まりました。
そして、そもそも保有している貴金属の何倍もの「預かり証」を発行し、
それを流通させ、貸し付けをすることで、利子を稼いでいるわけです。
ですから、世界の通貨のほとんどは「銀行券」という名前になっています。
さて、産業革命以来、
大量生産、大量消費の時代になると、貯まったお金を投資して、
さらに大量の生産拡大を、果てしなく続けていくようになります。
そうなると、金の規模を通り越して、
「取引価値」が果てしなく拡大していきます。
つまり、等身大の価値から価値が独り歩きして
数字上はめちゃめちゃ「価値」が増えていくんです。
ですから、現在世界に出回っている「お金の価値」は
そもそも実体のないものなんです。
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しかしながら、今から50年くらい前までは、
こういった「銀行券」は
いつも貴金属と交換してくれる「預かり証」の役目をしていました。
ですから人々はその価値の信用に基づいて
お金を流通させていたのです。
これを兌換紙幣といい、保有する金をもとに
価値が保証されるという貨幣システムでした。
しかしながら、現在はそういうシステムはとられていません。
それは現存する貴金属の価値の総量に対して、
経済の規模が大きくなり、価値の空洞化が起こっているからなのです。
このお話は次回に。