ムダに教養がつくかも知れない不定期な雑学講座の連載(講義中は寝ないこと)~なんか変だよね。という社会問題~ その第1シリーズは「原発行政のわかんないこと」をテーマに考える。【第2講】

核廃棄物の処理が未解決なのに増やそうとするわけ

 結論から言いますと、現状では、原発などと言うものは減らしても良いけど、これ以上増やすってことはあり得ない選択ですということでございます。

 これは、再稼働を推進するにしても、即時廃炉を求めるにしても同様だと言うことです。そして、こういうオペレートの有無でわーわー騒ぐより、今一番しなければならないのは「核廃棄物の処理」をどうするのかはっきりさせることだと言うことなんです (*`・д・)ノ

 しかもまったく、東日本大震災から10年近くたった今ですら、福島原発事故の処置はほとんど見えないままです。このまま何十年かかるとも知れない作業のさなかに、万が一同じような大災害が起こらないという保障はまったくございません (*`・ω・´)ノ
 こういったリスクを抱えているにもかかわらず、電力会社さんや政治家のセンセイ方はなんで「再稼働しなきゃなんない(*`・Д・´)ノ」と躍起になるのか、常識的に考えてこっちの方が不思議なんですよ。

 つまり、電力会社や政府はよっぽどのバカか、さもなくばみんな滅んじゃえばいいのにと本気で思っている悪魔なのか、どっちかじゃないのか?
(ㆀ˘・з・˘)b
 って思っちゃいますけれど、いくらなんでもそういう事はないでしょう。

 つまりは、「どうしてもそうしなくちゃなんない理由」があるはずなんです。そいつを隠すことなく、みんなで確認すれば、じゃあ、どうしたら良いんだろうね?という事になりますから、この際細かないがみ合いや感情的な大騒ぎをせずに、冷静に「事実」をまず明らかにすることの方がよほど「建設的」な流れだと思うのです。

11666541-核廃棄物の黄色の金属のバレルのイラスト

ではそれをいろんな角度からひもといてみましょう。(  ̄3 ̄)b

  ところで、わが国の原子力関連法のなかに、「原子力損害賠償法」って言う法律がございます。見ての通り昭和36年(1961)、今から半世紀も前に決められた代物でございます。さて、この条文をひもときますとね、「あれ?ちょっとヘンなんでないかい?」と思えるような内容が散見できるんです。

第二章 原子力損害賠償責任
(無過失責任、責任の集中等)
第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、その損害が原子力事業者間の核燃料物質等の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に書面による特約がない限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。

 たとえばその最たるものとして、第二章に原子力損害賠償責任と言う項目があるんです。まぁ、事故が起こったとき、誰が責任を負うんですか?という事を決めた内容ですが、この但し書きに(無過失責任、責任の集中等)とあって、もし事故が起こったら、その賠償責任はすべて「運転事業者」にあるという事を定めているんですね。まぁ、平成30年にこたびの震災に対応してか、一部改正して太文字の条文が加わったようですが、原則は変わりません。

原発を作った人は事故の責任を負わない

 ざっくり言うと、もし欠陥のある原子炉を作ったとしても、それを作った業者には製造責任は問われませんよ。 という内容なんでございます。それでもし事故が起こったとしても、すべての賠償責任はその施設を運転している事業者、原発だったら電力会社がすべての賠償責任を負うってぇ内容なんでございますよ。

 てえことは、たとえば原発を作っているプラントメーカーや建設業者は、一切の製造責任はないって事なんですね。つまり、これらの業者にとっては原子力関係の工事はオイシイ商売だってことになります。しかも大規模な工事になりますから、そら~どんどん作りましょうよって言うことになりましょうな。

 しかし、それなら賠償の全責任を負うようなリスクを背負っている、肝心の電力会社がなして「再稼働しないばなんない(*`・Д・´)ノ」って言うんだろうね?って事になるでしょう。

 わざわざこんなリスキーな推進しようって感覚が、さっぱりわかりませんよね。 その理由は、原発は稼働させないと、ただいたずらに維持費用がかさんでしまうからなんです。

画像2

稼働させないと電力会社の経営がやばくなる

 つまり、原子力施設は一回作ってしまうとなかなか解体できないのと、核燃料や廃棄物がある以上、その設備や安全維持コストが莫大な金額になるからなんです。
  しかも、その経費はすべて運転事業者である電力会社にすべて乗っかってくる事は法律で決まっております。原発は稼働させないとただ経費ばっかり食ってしまう代物なんです。まさに不良債権そのものなんですね。

 電力会社の言い分では、原発の停止が長引けば、火力発電所の燃料費がかさみますよ~。負担がかかるからメンテナンス代もかかりますよ~。再稼働しないと電気料上がりますよ~。って言ってるんですが、間違いではないにせよこれは経費的には大きな比率じゃありません(  ̄3 ̄)b

 原発は1基あたり、三~五千億円くらいの建設費がかかります。何基も建てようものなら兆単位の借金を負うんでございます。
 また、原発は普通の設備と違い、ほったらかしておくととても危険ですから、多額の維持費がかかります。つまり、原発は動かせない状態だと、借金返済と多額なメンテナンス費用だけがかかるのに、まったく利益を生まない事になるんですな。 (ㆀ˘・з・˘)b

 かといって「じゃあ廃炉にして赤字減らしのために解体しよう!」って簡単にはいかない、というか法律的にも、技術的にもあまりにも困難であり、手立てが見えないというのが本当のところなのです。

 したがって、再稼働しなきゃ電力会社が破綻してしまうおそれが出て来るっていうわけなんです。

次回はもっと掘り下げて考えてみましょう
お疲れ様でした。

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