♨漫遊記#15 三朝温泉
三朝温泉は、鳥取県の山中・東伯郡三朝町にある、山陰地方でも有数の人気の温泉地です。三朝の由来は、『三たび朝を迎えると元気になる』効能抜群の温泉です。この温泉には地元はもちろん、その効能を求めて県外からも多くの人が足を運びます。三朝温泉には、科学研究費補助金・重点領域『遺跡探査』に採択されたときに、遺跡(前方後円墳)の見学ツアーの宿泊先として泊ったことがありました。
三朝温泉は、高濃度のラドンを含む世界屈指のラドン泉(放射能泉)として知られていて、ここの温泉水は”奇跡の水”としてTVでも取り上げられました。ラドンによる低濃度の放射能にはホルミシス効果があると思われています。ホルミシスとは、ある物質が高濃度あるいは大量に用いられた場合には有害であるのに、低濃度あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用をもたらす現象です。ここでいうホルミシスとは放射線ホルミシスのことです。
放射線ホルミシス効果を定量的に評価するのは大変難しいようですが、ある条件下での動物実験では、低線量の放射線によって様々なホルミシス様(ホルミシスに似た)の効果が誘起されることを明らかになっています。しかし、この効果が”放射能だけ”によって得られた効果なのかを判定するのは難しいとのことです。放射線ホルミシスは、いわゆる”グレーゾーン”の民間医療です。信じるか信じないかは、あなた次第です!?。
三朝温泉では、放射能研究で2度のノーベル賞(化学賞と物理学賞)を受賞したフランスの物理学者・キュリー夫人の偉業への感謝の気持ちを込めて、『キュリー祭』が行なわれています。このお祭りは最近のものではなく、既に60年以上の歴史があるそうです。キュリー夫人は日本人にもお馴染みですが、個人的には、夫であるピエール=キュリーの研究成果も讃えて欲しいと思います。