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リモートワーク×ホラクラシー型組織の給与評価制度を作りました

ここしばらく時間を使っていた新年度(9月から新年度です)の給与体系、評価制度ができた喜びで昨日の夜に下記のようなツイートをしたら思いの外、たくさんの方から「note見たい!」と言っていただき、noteを書いております。

あまりない形態の組織ではあるのでどういう風に考えて設計していったのかをオープンにする意味もあるかなと思うので書いていきたいと思います。

ちなみにツイートしたのはこれ↓


キャスターグループ給与/評価制度の概要


特徴的な考え方、設計のもとになっている考え方は以下のようなものです。

・部署ごとに給与テーブルはそれぞれで作る
・原則としての考え方は統一

そして原則は以下。

・ホラクラシー基本概念として「役割(ロール)」が主役
・役割があり、役割ごとにミッション/目標を設定
・役割ごとにミッション/目標の難易度に応じて標準給与を設定
・人が人を評価する権限は誰にもない、給与決定ルールが「神」
・給与や評価は「役割」と「ミッション/目標の達成度=結果」の2つでのみ決まる(人による恣意性なし)
・同じ役割でも結果がより高い人、低い人は標準給与より上下させる
・結果=成果ではない
・結果=事実、成果=結果をもとにした他人からの評価
・給与が変動する要素は3つ
 - 結果
 - 役割変更
 - 会社の業績(給与原資の変動)
・マネージャーやリーダーの役割は求められる結果単位は「会社/事業業績」


簡単な例を挙げると

例えば、「Aという商品の新規営業」という役割を決めます。次にその役割のミッション/目標とそれに伴う標準給与を決めるのがまずベースです。標準給与は難易度や採用マーケットでの相場などが加味されて決定します。

仮にここでは
・ミッション:新規MRRの達成
・目標:新規MRR1000万/月
・標準給与:40万/月

と決定したとします。

あとはこの目標の達成率が110%の時は+2万、120%なら+5万、90%なら−3万...そんな形で給与テーブルを設定し、あとは査定期間(例えば6ヶ月)の結果で次の給与が自動的に決定する、そんな仕組みです。

もちろん会社業績などによって給与テーブル自体も査定期間のタイミングで見直します。



人は人を評価するべきか


考えていく中で大きな論点は「人が人を評価すべきかどうか」でした。

ホラクラシー×リモートで働いている弊社では「行動のマネジメント」は基本的にしません。社員と約束するのは「結果のマネジメント」のみ。その前提に立つと、役割と結果だけを社員と会社で約束して握り、そこのみで判断するのがベストだろうと現時点では判断しています。ある意味会社と個人が「役割」と「結果」だけしか約束しておらず、それ以外は自由であり、フラットなつながりなので、お互いにぶら下がれない仕組みでもあります。


役割と結果で決まる、という原則を考えると「人が評価する」ということの意味もなくなりますし、逆に人が評価することで正確性がなくなったり好みなどによる恣意性などの出てきます。そうすることで役割と結果、と言っていたのになぜか同じ役割で同じような結果の人が違う給与になるという事態が発生し、そもそもの透明性や納得感、何をするとどうなるのか?が明確でなくなってしまいます。

キャスターグループではこの給与テーブルと誰がいくらなのか、は全部公開されます。(公開されなくても推測できてしまうんですが)それだけ透明性がある中で「人の評価」というボラティリティが高い要素を入れることにメリットがありません。


また組織形態をホラクラシーにしている弊社では「役割」を明確にしていくわけですが、役割が決まるとセットで権限が決まります。そしてマネージャーやリーダーも役割なのですが、その役割の権限ルール中に「評価/査定」はありません。そもそも人を評価する権限がある役割が存在しないという運用にしています。

そもそも、人が他人を正確に評価できるはずなんてなく、そんな正確にできないものに頼って納得感がなかったり、何をしたらどういう評価になるのかが明確にならないといった事態になるのであれば、最初から評価なんかしないほうがいいという考えもあります。

正確に評価する、正しく評価する、というのはできないのにそれをやろうとして莫大な時間を費やす。でもその結果、誰かは不満になったり給与テーブルなど無視する事態が起きてコンセンサスが取れなくなる。そんな事例はたくさんあるかと思います。
「正しく評価する」ことを「人」はできないのでは?と思っており、であれば評価はしないほうがいいのでは?という仮説に基づいてもいます。


以上のようなことからキャスターグループでは「人が人を評価しない」という前提に基づいて今回の制度を設計しています。評価制度だからといって変わらないということはないので次回は全く違う話をしているかもしれませんが...その時はまたnoteにでも書きます。


結果のマネジメントと行動のマネジメントの違いはこちらも見ていただければと思います。


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