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ミヤザキヨシコォー! 20.3.30
まだ信じられない。
つい先日、テレビに出て、結婚まで考えた女性とのなれそめを話していたばかりだというのに。
僕は今50歳なのだが、志村さんが所属するザ・ドリフターズの黄金期が、まさに子供時代と合致する。
衝撃だったのが、バレエの女性用チュチュを着て、股間から白鳥の首がニョッキリと飛び出したコスチューム。
そのうえ、「ひとみばあさん」風のシャウト(?)で「イッチョメイッチョメ、ワ~オ」と東村山音頭(??)を踊るのだから、「卑怯」としか言いようがない。(最大級の誉め言葉)
たちまち志村さんは子供たちの人気者になり、次々とギャグを流行らせていく。
志村後ろ―
カラス何故なくの カラスの勝手でしょ
小さなモノから大きなモノまで(茶さんと股間を指す)
ヒゲダンス(茶さんと無言で大道芸的なパフォーマンス)
あまりにもヒットネタがありすぎて、ここで挙げられないほど。
その中で一つ、強く印象に残っているギャグがある。
『8時だョ! 全員集合』中のコントでお腹の贅肉をつかみ「ミヤザキヨシコォー」と叫ぶ芸
(Wikipediaより)
「ミヤザキヨシコ」とは、もちろんあの宮崎美子さん。
現在は還暦を過ぎ、際立った美女というより、庶民的な「おばさん」役を多くされているが、この頃(1980年)、デビュー直後の宮崎さんはカメラのCMに出演し、海岸の木陰でTシャツとジーパンを脱いだら、中はビキニだった――という、当時としては衝撃的な内容で、一躍時の人になった。
そのパロディである。
言うまでもないが、その時の宮崎さんにお腹の贅肉はないし、まして、それをつかむなどはしていない。
ただ、バストが豊かで、「愛くるしい」という言葉をそのまま擬人化した存在、であったように思う。
ギャグとしてはオトナ目線の一発芸に近いもので、子供のファンが多い『全員集合』の中では、前述のギャグほど人口に膾炙したわけではないが、すごく印象に残っている。
一言でいえば、「子供に媚びていない」芸風が、この頃からにじみ出ていた気がする。
お笑いのイメージを壊したくないのか、恥ずかしがりなのか、トークバラエティに出るときも扮装をしていた志村さん。
歳を重ねるにつれて、素を出すことにも抵抗がなくなったようで、『天才! 志村どうぶつ園』や、先日の『あいつ今何してる?』でも、温和な素顔を覗かせていた。
正直、志村さんがコロナの陽性と判明したとき、もちろん驚きはしたが、退院会見でリポーターに促され、「だいじょうぶだぁ」のギャグを披露するところまで想像していた。
重症説も流れていたが、それほど深刻には考えていなかった。
ある意味「神様」(実際『あたしゃ神様だよ』と演じていたこともあり)に近い人なので、まさか――と。
みなさんもそうかもしれないが、何か、ずっとパニック映画系の悪い夢の中にいる気がする。
夢なら醒めてほしいが、残念ながら頬をつねれば痛いし、頭を何回叩いても目覚める気配はない。
お腹をつかんで
「志村さーん!」と叫んでみる。
それでも目は醒めない。
そうなんだ。
これは現実なんだ。
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