追悼・大山のぶ代さん・5 終 24.10.22

2015年、夫の砂川啓介氏により、大山さんが認知症であることが公表される。
それ自体もショックだったのだが、のちに砂川氏が、夫婦関係と介護生活を描いた『娘になった妻、のぶ代へ』という本をお出しになった。その、きれいごとだけではない赤裸々な内容に、さらなる衝撃を受ける。

その後、最後にテレビで大山さんのお声を聴いたのは、砂川氏がご出演になった『徹子の部屋』にて。徹子さんを「チャック」、ご自身を「ペコ」とお呼びになり、いつものお声でお話になっていた。

同年、テレビドラマ『ドラえもん、母になる〜大山のぶ代物語〜』が放送され、ナレーターは先日亡くなった小原乃梨子さん。さらに、しずか役の野村道子さん、当時ご存命だった肝付兼太さんが顔出しでご出演し、それぞれのキャラクターでドラにエールを送られていた。(ジャイアン役のたてかべ和也さんは、この半年前に逝去)
大山さんご本人のご出演は、無かったように記憶している。

ご承知のように、その後肝付さん、そして、小原さんが亡くなった。

もし、「あの時」、大山さんにお会いしていたら――。
「もう少し積極的にならないとね」ぐらいのことは言われたと思う。
当時の僕は……今もそうだが、のび太以上に消極的だったので。

ただ、元ガチファンとして、『ドラ』メンバー(第一期)のお声は、これからもずっと忘れないだろう。

雲の上で、旦那様、のび太くん、スネ夫、ジャイアンと、のんびりとお過ごしください。
大山さん、本当にありがとうございました。

(おわり)


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