犬の健康寿命を延ばす散歩とは?
犬の欲求を満たす散歩でストレスを軽減
犬にとってお散歩は『運動』『探査活動』『縄張り活動』の3つの欲求を満たすために必要不可欠です。
運動
散歩=運動ではありません。
ゆっくり歩いて匂いをたっぷり嗅がせて帰ってきても『運動』にはなりません。
途中の公園にてロングリードでボールを投げて走って取りに行ったり、週末にはドッグランへ行くなどをして、あえて体を動かすことをさせないと犬の本当の欲求は満たせていないのです。
どちらかというとお散歩は飼い主さんとの絆を深める意味合いの方が大きいと思います。
また犬にとって家の中で走り回ったり、おもちゃで遊ぶのは大した運動にはなりません。毎日は難しくても、できるだけ思いっきり走ったり一緒に体を動かしたりして欲求を満たしてあげましょう。
その際は決められた場所以外でノーリードにするのは絶対にダメです。
また、シニア犬や歩行困難な犬にはお散歩だけでも健康効果は十分にありますので、抱っこや犬用カート、犬用の車椅子などを用いてお外の匂いや刺激を与えてあげましょう。
《探査活動》と《縄張り活動》
逆に思いっきり走らせて運動をさせても、匂いを嗅がせず、マーキングもせずに帰ってきたら犬の『探査活動』と『縄張り活動』の欲求は満たされません。
散歩をしたのに家の中で走り回る犬を見て「散歩が足りなかったのかな?もう少し散歩の時間を延そうかな?」と思われる飼い主さんが多くおられます。
電柱の匂いや草の匂いを嗅いでいると「ダメ!もう行くよ!」と引っ張りたくなりますがそれでは欲求不満になります。犬は全神経を集中して情報収集をしているので匂い嗅ぎタイムはしっかりとってあげましょう。
また、犬のマーキングには「ここは自分の縄張りだぞ!」と他の犬に知らせたり、「今日はここを歩いたよ〜」と挨拶がてら名刺を置いて行くように、自分がいた情報を他の犬に示す方法の一つでもあるマーキングは犬の本能です。
この欲求を無視するとストレスを溜めてしまいますので、お散歩ではたくさんの匂いを嗅がせてあげたり、マーキングをさせてあげましょう。もちろんマーキングした際は、きちんとお水で流してお散歩マナーを守りましょう。
危険!選んではいけないリードとは?
事故を招きやすい伸縮リード
街中を歩いていると、伸縮リード(フレキシリード)を好んで使用している飼い主さんを多く見られますが、訓練士や愛玩動物飼養管理士、ペットシッターなど多くの犬の仕事に携わるプロの方々は、伸縮リードを使用しません。
なぜかと言うと、伸縮リードは巻き取りよりも伸びる方に大きく働くため、犬の扱いに慣れているプロでさえ、とっさの制御が厳しく、大きな事故に繋がる可能性が高いからです。
また、ロック機能が故障することにより、巻き取りが不可能になったり、誤作動でリードが伸び続けて起こる事故や、急激なロックによる衝撃で犬の首や身体的な負担など、伸縮リードはたくさんの危険を引き起こす可能性があります。
伸縮リードとロングリードの違い
犬のトレーニングや広い場所でのお散歩におすすめなグッズとしてロングリードがあります。長いリードなので伸縮リードと同じものだと考えてしまいますが、実は全くの別物です。
なぜならコンロールが難しく危機管理に適していない伸縮リードとは違い、ロングリードは危機管理に必要な操作をリードを握る人間自身でコントロールできるからです。
また、距離を取る必要があるトレーニングをする際にも、距離を取りつつも万が一のとき、安全確保に俊敏に対応ができるロングリードは非常に便利です。
伸縮リードを使用した事による悲惨な事故はとても多く、事故が起きてから悔やんでも後戻りはできません。
もしもの事故を防ぐためにも、伸縮リードではなく、住宅街などの公道や交通量の多い場所では伸びない短めのリードを使用し、大きな公園や河川敷など自転車、バイク、車、人及び他の犬が少なく広い場所ではロングリードに持ち替えて、運動とストレス発散を兼ねて、愛犬を楽しく安全に思いっきり走らせてあげましょう。
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散歩と腸内環境の関係性
犬は散歩中、いろんな匂いを嗅ぎます。
草や土の匂いを嗅ぐと微生物が直接、鼻の中に入ってきます。
鼻にも腸にも粘膜があり、粘膜で免疫が生産されるそうなので、鼻の粘膜から微生物やさまざまな菌が入ってくれば、その影響を腸内細菌も受けるのではないかと考えられています。
犬にとって散歩は運動やストレス解消だけではなく『外の環境に触れる』それ自体が、犬の健康寿命を延ばしているのかもしれません。
『小型犬やシニア犬に散歩は必要ない』の誤解
私も虎鉄ちゃんをお迎えする際に、お店の方から「小型犬なのでお散歩は必要ありません」と言われました。
現に子供の頃、はじめて犬を飼ったマルチーズは自分で勝手にお庭をお散歩していましたし、2代目のロングコートチワワはとてもビビり屋さんで常に人の後ろに隠れて、親が連れ出さない限り決して外には出たがりませんでした。
そのため、虎鉄ちゃんの時もなんの疑問もなく、お店の方がいわれた言葉に納得してしまいましたが、いざ数十年ぶりに犬を飼うにあたり、お迎えする前にたくさんの犬関連の本を読み、ようやくその言葉が犬を売るためのいい加減な発言だと分かりました。
そのことが、改めてきちんと正しい犬の知識を身に付けたいと思わせてくれたきっかけにもなり、どうせなら資格取得といった目標を持って勉強したいと考え、おかげで今は愛しい虎鉄ちゃんと共に大好きな犬のお仕事に就かせて頂いております。
健康状態が良ければ、ほとんどの犬は少なくとも1日1〜2回、1回30分以上、場合によってはもっと多くの散歩をすることができます。
散歩の時間、距離、回数などはあくまで目安になりますので、どのくらいの散歩で満足するかは犬種や性格によって違いますので、小型犬だからこう、シニア犬だからこうと決めつけないことが大切です。
また、散歩による健康効果は犬だけでなく、人間にも効果があり、犬を飼っている人の方が飼っていない人に比べとても活動的で、飼い主さん自身のストレス解消効果、リラックス効果、自律神経のバランスも整うといわれています。
何よりお散歩はただ健康のために歩くだけではなく、犬とアイコンタクトをとりながら散歩することで、愛情ホルモンが出て免疫力も整い、犬にとってもすごく楽しい時間となり「大好きな飼い主さんと一緒に散歩をしている」という意識がとても嬉しいのです。
たまに怖い顔をしてただひたすら歩いている飼い主さんを見かけますが、犬の散歩はただの義務ではなく、飼い主さん自身も是非一緒に散歩を楽しんでほしいと思います。
私も散歩中はずっと虎鉄ちゃんに話しかけたり、鼻歌を歌ったり、かけがえのない楽しい時間を共有しています。
寒い日のおすすめハーネスと犬のハーブ足湯
ダウンコート一体型ハーネスとは?
筋肉量が少ない子犬やシニア犬は、寒い日は気温に合わせてあたたかい服を着せて散歩へ行くといいでしょう。
成犬で若い犬でも急にあたたかいお部屋から気温の低い外へ出るとくしゃみをしたり、心臓にも負担がかかるので、やはり寒暖差の激しい日は寒さ対策をしてあげてください。
とはいえ、服を着ることを嫌がる犬も多く、そんな時は、犬用の腹巻きだけつけてあげたり、ダウンコート一体型のハーネスが売られていますのでおすすめします。
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また、人でも血行・血流を改善したら、関節炎の症状がよくなったり、認知症の症状がやわらいだ。
ということが実際に起きていますので、犬にも日頃から血行・血流をよくして寒さに負けない体作りをしましょう。それが健康寿命につながります。
血行・血流改善におすすめ犬のハーブ足湯
私のサロンでも犬の血行・血流を良くするためにアロママッサージや肉球ケア、かっさやローラー鍼を用いいたコロコロマッサージなどをおこなっていますが、ここでは、おうちでも簡単にできる足湯の仕方をご紹介いたします。
特に冬場の散歩後は足がとても冷えていますのでおすすめです。忙しい方は、週に1度でも構いませんので、是非、飼い主さんも一緒に足をあたためて、ぽかぽか気分を楽しみましょう。
足湯で使用するハーブはカモミールです。
カモミールには、抗炎症作用や抗菌作用、かゆみを抑える作用がありますので、日頃から足や体をよく舐めている犬にはおすすめです。
カモミールのドライハーブを使用しますが、市販されているカモミールのハーブティーでもOKです。
もちろん、ハーブの匂いが苦手な犬にはハーブを使用せず、お湯だけでも十分に足湯の効果はあるので大丈夫です。
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犬のハーブ足湯のやり方
①犬が4本足て立てる大きさの入れ物を用意します。小型犬だとベビーバスや犬用のバスタブなどがおすすめです。中型犬や大型犬は比較的大きめの洗面器で、前脚と後脚とで2回に分けて入れてあげてください。
②足首が浸かる程度まで、37〜38度くらいのぬるめのお湯をはります。お湯が苦手でなければ足全体までOKです。
③鍋で沸騰させたお湯にお茶パックに入れたカモミール、またはカモミールのティーパックを入れて火を止め、蓋をして10分ほど蒸らしておいたものを、お湯をはったバスタブや洗面器に入れます。その都度、水やお湯を追加して、量や温度を調整してください。
④足湯に浸かる時間は3〜5分くらいが目安ですが、犬の様子を見て、調整してください。
⑤足湯の後は、しっかりと足を乾かしてください。ここで足が生乾きだと、肉球の間がかぶれて炎症を起こすこともありますので、シャンプー時と同じく、しっかりと乾かしましょう。
暑い日のお散歩と肉球の火傷について
暑い日の日中、カンカン照りのアスファルトの上を散歩させている姿を見ると思わず声を掛けたくなります。
年々、日本の夏は猛暑が多く、素足で歩かない人間は気づかないかもしれませんが、熱を吸収しやすいアスファルトは、連日60度を超えることもあり、裸足で歩く犬にとっては熱い鉄板の上を歩かせているようなものです。
犬はそんな真夏の暑日でも「散歩に行きたくないよ〜」とは言えず、黙ってついていきます。実際に熱いアスファルトの上を歩き、肉球がずるっとやけどをして動物病院へ行かれる犬も多くいます。
また、夏に限らず飼い主さんが自転車に乗って犬を散歩させ、肉球を傷つけてしまうことも多いので、絶対にやめてください。
最近は早朝か夕方以降でも暑い日があります。
散歩に行く前には必ず飼い主さんが地面を触ってみて、暑くないかを確認して、涼しい時間になるべく日陰を歩かせるようにしましょう。
散歩に行く時間が日中しか取れない場合は、できるだけ木陰のある場所まで犬をカートに乗せ、日傘やカートの屋根などで日陰を作り、途中、水分補給をさせながら、日陰になっている土や芝の上を歩かせましょう。
犬用の靴を履かせるのも有効ですが、飼い主さんの熱中症予防を兼ねて、できるだけ涼しい時間帯に散歩ができるように時間を作ってあげてください。
また犬によっては、外でしか排出できない子も多く、私のサロンでも排泄のためだけに大雨や台風時でもお散歩を希望される飼い主さんが多くおられます。
外でしてくれた方が飼い主さんも楽なのでそのままにされている方もいるでしょうが、悪天候時や災害時、飼い主さんの体調不良時はもちろん、将来的にも外でしか排泄できないと、犬が寝たきりや病気になった時に排泄を我慢するようになり、さらに症状を悪化させる恐れがあります。
まだ元気で歩けるうちに、頑張って家の中でも排泄できるようにしつけをしておきましょう。
家の中で排泄させる方法は検索すれば多く出てきますし、近々、私のYouTubeチャンネルでもご紹介したいと思います。
散歩帰りの足拭きと肉球ケア
散歩の後に、足拭きシートを利用される方が多いですが、肉球はとても敏感な場所で、何も防御されていないむき出し状態ですので、何かしらの薬剤が使われている足拭きシートはしっかりと成分を確認しましょう。
「99%水」と表記されていても、残り1%には界面活性剤やアルコールが含まれている可能性があります。
むき出し状態の肉球は、皮膚に比べて薬剤が吸収されやすく、また肉球を舐める犬も多いので、足を拭くなら普通の水で十分大丈夫です。
無漂白のキッチンペーパに水と、皮膚を健康に保ち抗菌作用のある『クロモジ』のハーブウォーターなどを入れたスプレーで湿らせて足を拭いてあげるといいでしょう。
また、ブラッシング時にもおすすめです。クロモジのハーブティーを使用される場合は、散歩前に飼い主様が飲む様に1杯作り、その際、足拭き様に少し分けて冷ましておくといいでしょう。
それでも、手軽に足拭きシートを使用されたい場合は、必ずペット専用のウェットシートを用いてください。
くれぐれも人間用の除菌シートやお手拭き用のウェットティッシュは使用しないように注意してください。
また、足を拭いた後は、肉球クリームなどでケアをしてあげるとさらにいいでしょう。毎回は難しくても、犬の肉球がガサガサしてる時はマメに塗ってあげてください。
そのもちろん犬が舐めても安全で肉球に直接吸収されても安心な天然のものを使用していただけると愛犬の長生きに繋がります。
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