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食事摂取基準2020年版-小児での変更点から見る今後大切なこととは?-

こんにちは!
こども達とそれに関わるおとなの未来を創造したい、ひびてん先生です。
子育てにも役立つ、健康や教育の情報をお伝えします。
今日は、栄養のお話です。


「日本人の食事摂取基準」とは?

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」というものがありますが、ご存じでしょうか?


多くの疾患には、診療ガイドラインというものがあります。エビデンスをもとにした標準治療ですね。これは病気の人が対象です。それとは違い、健康な人を対象に、疾患の発症予防を目的に定められたものが、これにあたります。

日本人の食事摂取基準とは、「健康な個人及び集団を対象として、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示すもの」とされています。

簡単にいうと、「健康のために必要な栄養とは?」です。

多くの学術論文に基づいています。治療法ではなくて、予防法が書かれているということですね。国民全員が関係しているから参考にしてね!ということでしょうが、500ページ弱もあるのに、参考にできませんよね。僕も把握していません。。。

今回ご紹介の2020年版は、2015年版から5年ぶりの改訂されたものです。2020年の4月に改訂されたものですが、最近少し目を通しましたので、今日は、2015年版から2020年版になって、小児での主な変更点を述べたいと思います。

2020年版小児における主な変更点とは?

日本人の食事摂取基準2020年版で、乳児・小児の項目が20ページほどあります。文字ばっかりで、これだけでも大変。。。ですが、主な要点をまとめてみますね。変更点は、時代変化と共に重要になってきた、または明らかになってきた点だと思います。

変更点つまり重要ポイントは7つ
今回は、前半の3つを説明します。


1.飽和脂肪酸
2.食物繊維
3.ビタミンD

4.ナトリウム
5.カリウム
6.鉄
7.ヨウ素


1.飽和脂肪酸について

脂質は、摂取量よりも脂肪酸の種類ごとの摂取基準が重要です。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。

飽和脂肪酸は、乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれパルミチン酸、ステアリン酸などがあります。
不飽和脂肪酸は、植物油に多く含まれ、 オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などがあります。リノール酸やα-リノレン酸は、人間の体内でつくることができないため必須脂肪酸と呼ばれています。
脂肪酸は、エネルギー源として役目を果たすほか、身体の各種細胞膜の大切な構成成分なので、重要です。

成人では、循環器疾患のリスク予防のため、飽和脂肪酸量7%エネルギー以下という目標値が設定されていましたが、小児では設定されていませんでした。
今回の改定で、飽和脂肪酸量の小児の目標値は以下のようになりました。こどもだからと言って、動物性脂肪ばかり摂りすぎはダメですよ!ってことですね。

3~14歳:10%エネルギー以下
15~17歳:8%エネルギー以下

不飽和脂肪酸の中でも、ω-6系とω-3系の脂肪酸が小児でも目安が設定されており、基準を下回らないようにしたいものです。
どの年代も、およそω-3:ω-6=1:2程度が目安です。小児でも、目安量が設定されており、重要です。

ω-3系・・・イワシ、サンマ、サバ、亜麻仁油、えごま油など
ω-6系・・・コーン油、キャノーラ油、母乳、ナッツ類など

ω-6系が不足することはあまり無いので、ω-3系を意識して摂取するように意識しましょう。


2.食物繊維


小児期の食習慣が成人後の循環器疾患の発症に影響を与えている可能性があり、小児期(3~5歳)の食物繊維について、以下の設定がなされました。

3~5歳:8g/日以上
6~7歳:9g/日以上
8~9歳:11g/日以上
10~11歳:13g/日以上
12~14歳:17g/日以上

成人は20~21g/日以上です。

実は、女性より男性の方が目安量の設定が高いのですが、おそらく男性の方が摂取量は少ないでしょうね。。。僕も他人のことは言えません。

ポイントは、食物繊維の重要性が次第にあきらかになり、小児期からしっかり摂取する習慣をつけましょうということでしょうか。


3.ビタミンD


ビタミンDの目安量は、全世代でかなり引き上げになりました。母乳栄養児のビタミンD不足は、骨が弱くなるくる病の原因とされ、以前から世界的にも問題となっています。

ビタミンD不足の原因は、完全母乳栄養、母親のビタミンD不足、日光暴露不足などですが、母乳が悪いのではなく、妊婦さんのビタミンD不足が原因と思われます。女性は日焼け対策もしなきゃならないですからね、不足がちになります。

日光暴露不足は、欧米人の研究では、

帽子なしの着衣で、週に2時間
おむつだけの状態で、週に30分

の日光照射が必要と言われています。

2015年版から2020年版にかけて、成人のビタミンD目安量は、


5.5 → 8.5μg/日(上限は100μg/日)


と、大幅に引き上げられました。この引き上げは、衝撃的。
魚介類の摂取と、日光浴の重要性を再認識。

小児の目安量(μg/日)は以下になります。

乳児:5
1~2歳:男3、女3.5
3~5歳:男3.5、女4.0
6~7歳:男4.5、女5.0
8~9歳:男5.0、女6.0
10~11歳:男6.5、女8.0
12~14歳:男8.0、女9.5
15~17歳:男9.0、女8.5

ビタミンDに関しては、以前ブログで書いたことがありますが、インフルエンザや新型コロナウイルスに対しても、免疫力の鍵となる可能性のあるビタミンです。

特に、在宅ワークでは大人も不足しがちですので、親子で外遊びはストレス解消もかねて、必要かもしれませんね。在宅中に部屋で暴れるお子さんにお悩みの方もいるとお聞きします。。。

僕は、普段は室内のお仕事ですので、サプリメントで補っています。飲み忘れも多いですが。。。あっ、でもそれだと運動不足に。。。


本日は、食事摂取基準2020における小児の変更点から、前半の3つをお伝えしました。

まとめ
1.飽和脂肪酸・・・小児期から摂りすぎ注意!ω‐3系を積極的に摂取してね!
2.食物繊維・・・大人の女性だけでなく、男性も子どもも重要ですよ!
3.ビタミンD・・・赤ちゃん~大人まで、骨にも免疫力にも重要!

しかし、栄養って大事だけど、覚えて実践するのは大変ですよね。。。管理栄養士さんとか、誰か詳しい方、サポートしてくれる方いないかなあ。。。



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