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【HBRで学ぶ英語&マネジメント】リーダーを目指す人が学ぶべきスキル8選

こんにちは、Hibikiです。(自己紹介はこちら

本記事は、タイトル通り、Harvard Business Review (HBR)のニュースレターで配信されている"Management Tip of the Day"を基にして英語もマネジメントも学んでいこう、という欲張りな記事です。

"Management Tip of the Day"は、HBRがオリジナル記事を要約して配信しているものです。英語学習者の視点でみると、オリジナル記事はそこそこのボリュームがありますが、"Management Tip of the Day"は気軽に読めるものになっています。

しかし、要約しているために抽象的で、どうしたら良いのか分からないことも多々あります。そこで、私の経験を基に補足を入れ、実践するための解説をしていきます。

英語を学んでいる方はぜひ原文にアクセスを、学んでいない方は本記事に掲載している日本語訳で十分です。(HBRより訳文掲載の許可は得ています)

本日は、2024年12月25日配信の
"8 Leadership Skills to Develop"
by Rebecca Knight
の記事です。

本記事は以下のような方々にオススメです。

・リーダーシップの基礎を学びたい方
・リーダーシップを発揮する機会が増えた方
・リーダーシップスキルをさらに磨きたい方
・組織で人材育成に関わる方

では、さっそく見ていきましょう。


①原文記事🇺🇸

原文記事(英語)は下記URLから読むことができます。

②日本語訳🇯🇵

新年を前に、2024年の私たちの最もお気に入りのヒントをいくつか共有します。

リーダーシップは、生まれつき備わっているか、または欠けている資質ではありません。それは、時間をかけて開発できる8つのスキルを組み合わせたものです。 以下は、リーダーとして認められるのに役立つ特性です。

信頼性
自己認識を構築し、強みを強調し、弱点を改善するために自分自身を位置づけるように努めます。

好奇心
分からないことを質問します。 広く、意欲的に考えます。 絶えず学び、探求し、革新したいと思う人として自分を表現します。

分析能力
リーダーシップには、複雑な問題を分解し、根本的な原因を特定し、新しい解決策を考え出す能力が必要です。 因果関係に焦点を当て、パターンやトレンドに注意を払うことで、分析スキルを磨いてください。

適応力
柔軟性が求められる業務を引き受け、経験を求めます。 さまざまなタイプの人々がいる新しい環境で働くように自分をプッシュします。

創造力
必ずしも、自分で素晴らしいアイデアをすべて思い付く必要はありません。 時には、他者の創造性を育む環境を築くことが重要です。

曖昧さへの適応
曖昧さを管理することは、頭の中で相反するアイデアを持ち、等しく重要に感じる競合する優先順位に対処することです。 多くの「もしも…」と「それで?」を質問を繰り返し、さまざまな視点から問題を精査します。

回復力
物事が困難になったときには、「別の道はあるか」と尋ねることによって、再調整し、再編成し、他者からの意見を得るための回復力を示します。

共感
感情的な知性を発達させることで、他者が取り組んでいる複雑な課題をより深く理解し、よりサポート的で育成的な環境を育むことができます。

Geminiによる日本語訳を一部手修正

③英語観点

1. You don’t necessarily need to come up with every great idea on your own.

come up with
to think of an idea, answer etc
アイディアや答えなどを考えること

ロングマン現代英英辞典

"come up with"は、アイディアなどのように、頭の中にポンと生まれる時に使う表現です。

例えば、仕事上の問題の解決策を思いついた時には

Now I come up with the solution!
今、解決策を思いついたよ。

などのように使います。

2. Developing your emotional intelligence gives you a deeper appreciation of the complex challenges.

appreciation
an understanding of the importance or meaning of something
何かの重要性や意味を理解すること

ロングマン現代英英辞典

”Developing your emotional intelligence …”は、直訳するとこうなります。

「感情的な知性を発達させることは、複雑な課題をより深く理解することをあなたに与える」

日本語としてちょっと不自然ですよね。

動詞+ingで作る句を動名詞と言いますが、日本語では不自然な表現でも、英語では動名詞を名詞に持ってくる表現はとても一般的です。

動名詞を名詞に持ってくる表現が自然に出来るようになることが、初級クリアの1つの指標と言ってもいいかもしれません。

④マネジメント観点

1.Authenticity / 信頼性

日本語訳も、「自己認識を構築」から説明が始まっていますが、「自分を知る」ことは本当に難しいことだと思います。正解があるのかどうかも分かりません。

まずはあたなが「視覚優位」なのか、「聴覚優位」なのかを知るところから入るのはいかがでしょうか?

もう10数年前だと思いますが、私はHBRの記事で「視覚優位」「聴覚優位」に関する記事を読み、自分が「視覚優位」であることを認識しました。

視覚優位とは、視覚から得た情報を処理する方を得意とする特性のことです。逆に聴覚優位とは、聴覚から得た情報の方が処理しやすい特性です。

思い返すと、私は会議の中でポンポンとやり取りされる会話への対応が少し苦手です。だいぶキャリアも長くなってきましたので、ある程度は慣れで対応できるのですが、ドキュメントに書かれた内容の方が深く理解できる自信があります。

そのため、私が行う会議は必ず会議資料を作り、ドキュメントを基にして会話を進めるようにしています。これも視覚優位であることを自己認識したことから、意識的に行うようになりました。

このように「自分を知り」、その特性に合わせて丁寧な仕事をすることが、「信頼性」につながるのだと考えています。

あなたはどちらのタイプですか?
自分の特性に合った仕事の仕方をしていますか?

2.Curiosity / 好奇心

好奇心が大事であることは多くの人が同意することだと思います。しかし、なんでもかんでも好奇心を持ってツッコまないとダメなのでしょうか?それではいくら時間があっても足りません。

どこで線を引くのが正解なのか分かりませんが、私の例をご紹介します。

私の仕事は1つのプロジェクトが終わると、別のお客様の別のプロジェクトに入ることが多いです。お客様企業が属する業界すら異なることも普通にあります。

新しいお客様のプロジェクトに入る前にすることは、その業界の状況を知ること。特に業界的に抱えている問題は何なのか、世界ではどのようなメインプレイヤーがいて、どういうビジネスを行っているのかです。

私は以前、製造業のお客様企業の内部で使っている決裁システムの保守を担当したことがあります。こう言っては何なのですが、別に決裁システムが数日止まったとしても、ビジネスにはさほど影響ありません。ましてや世界で戦う上で決裁システムが果たしている役割もほとんど無いでしょう。

それでも、そのお客様企業が世界一の会社になるために、自分に何が出来るかを考えていました。そうすると、色々と知りたいことが出てくるのです。

たとえば、製造業では部品や製品の輸出入が常に行われていますが、少しでも武器製造につながる原料を使っている部品、製品を輸出できないことを知っていますか?

たとえば各国が取り組む環境対策によって、製造業のビジネスにも大きく影響しますが、どの国がどのような環境対策に力を入れているか知っていますか?

「お客様企業が世界一の会社になるために、自分に何が出来るか?」

これを軸にするだけで、色々なことが気になってきます。
人によって軸は異なっても良いと思いますが、私にはこの軸がしっくりきています。

あなたはどのような軸を持っていますか?
その軸に沿って、好奇心を持って情報にあたっていますか?

3.Analytical thinking / 分析能力

「分析」という語句は「分」という字から始まっていることからも、分析作業はまず「分けること」からスタートします。

大事なのは「どう分けるか?」という基準です。

皆さんの業界でよく使われる「分ける基準」は何でしょうか?

私の仕事であるITプロジェクトでは、要件定義でまず大事になる基準は「登場人物」です。

経理部の人
人事部の人
工場の担当者
保守担当者

このように登場人物の役割を基準に分けることを行います。

また、システム障害が発生した時には、「レイヤー」を基準にシステムを分けて、調査・検証を進めます。レイヤーとは、下記のようなものを指します。

ユーザが使用するPC
ネットワーク
サーバ
プログラム

「分ける基準」というのは、ビジネスの内容や場面によって異なりますが、パターンを多く持っておくと、初動が速くなるメリットがあります。また、適切な分け方を知っていることで、抜け漏れを防ぐ効果もあります。

あなたの仕事ではどのような基準がありますか?

4.Adaptability / 適応力

必ずしも転職を勧めている訳ではありませんが、新しい仕事をすることで適応力を学ぶことが出来ると考えています。

では、なぜ新しい仕事で適応力が磨かれるのでしょうか?

私の体験をご紹介します。

私は長年、ITの仕事をしていますが、一時期、翻訳会社に所属し、翻訳の仕事をしていました。

翻訳の仕事をやってみて分かったことは、翻訳の仕事は、本質的にITの仕事と同じというものでした。

翻訳は、ある言語から別の言語に置き換えることが仕事。
ITは、お客様の要望をプログラムに置き換えることが仕事。

どちらも「置き換える」ということが仕事の根本にあります。

このように新しい仕事をすると、他の仕事と似ていること、似ていないことが理解できるようになり、より本質の理解に繋がるのだと思います。

そして、本質の理解こそが適応力に繋がる、と考えています。
本質が理解できていれば、あとは応用するだけ、ですからね。

あなたの仕事の本質は何ですか?
その本質の理解は応用できる状態ですか?

5.Creativity / 創造力

創造力というと、アート関係の仕事であるとか、企画の仕事がすぐ浮かびますが、あなたの仕事は創造力を必要としていますか?

恥ずかしながら、私は自分の仕事で創造力を求められるような場面はあまりないと考えていました。

しかし、自分で書いた以下の記事で、自分が抱える問題に対して創造力を働かせて解決策を考えてみた時に、突拍子もないこととはいえ、解決策が見つかったのです。少し自分でも驚きました。

身近な問題でも、意識的に創造力を働かせて解決策を考えてみることで、解決の糸口が見つかるなら、やらないのはモッタイない、と今では考えています。

あなたは、創造力を自分には関係ないものと最初からあきらめていませんか?

6.Comfort with ambiguity / 曖昧さへの適応

どちらが正解とも言えない、そんな問題が世の中にはありますよね。

「短期的な利益と長期的な利益のどちらを取るか?」というのが、よくある例ではないでしょうか。

利益は多少少ないが長く取り引き頂いているお客様、そこに短期的ではあるが利益の大きい仕事の引き合いを頂いた時、どちらを取るか?

理性では長期的な利益の方が良いと分かっていても、今年度の予算達成がギリギリの状態なら短期的な利益を選択するのではありませんか?

どちらが正解か分からない、けどリーダーとして決断しなくてはいけない状況というのがあります。
決断した後も、モヤモヤ感が残る決断があります。

あなたは曖昧さを受け入れて、組織を率いる覚悟がありますか?

7.Resilience / 回復力

訳文では「回復力」としましたが、「粘り強さ」という意味の方が合っているかもしれません。

「粘り強さ」というキーワードで私が思い出すのは、フォード社の話です。私自身の体験では無いので恐縮ですが、フォード社でV8エンジンの開発をした時の話を紹介させてください。

自動車大手フォードの創業者であるヘンリー・フォードが当時不可能と言われていたV8エンジンを開発した時の話である。

フォードは、4気筒のエンジンを8気筒にして性能の大幅な改善を技術者に命じた。

しかし、その技術者たちはこのV8エンジンは理論的に不可能だと結論を出した。

それでもフォードは諦めなかった。

「なんとしても完成させるのだ」「どうしてもそれが必要なのだ」と技術者に言い続けた。いったい、何が起こったのか?

それからまもなく、突然、技術者たちはV8エンジンを完成させてしまったのである。

ヘンリー・フォードが頑固だったのは間違いないです。技術者たちも閉口していたに違いありません。

しかし、諦めなかったからこそ実現できたのも事実です。

「出来ないことがあるとすれば、その実現方法をまだ知らないだけ」

というニュアンスのことをヘンリー・フォードは言っていたようです。

タイムパフォーマンスを略して「タイパ」という言葉が広がるほど、効率性を重視する風潮がありますが、時にはタイパを無視して取り組むことも必要なのかもしれません。

あなたにはタイパよりも重視していることがありますか?

8.Empathy / 共感

共感とは、言葉尻だけ相手に合わせることではありません。
むしろ言葉になっていない部分を理解し、サポートすることだと考えています。

言葉になっていない部分への理解が必要ですので、人の観察が欠かせません。

ビジネスの世界では、普段は好意的な付き合いをさせてもらっているお客様が、会議の中で急に突き放すような発言をする場面が時々あります。

言葉尻だけを捉えると、裏表がある人のようにも思えますが、例えばその人が会社の代表であり、社員の前で厳しい態度を取らざるを得ない状況なのかもしれません。

相手の立場まで理解し、コミュニケーションを取ることで、より深い信頼関係を築くことができると考えています。

あなたは上辺だけではないコミュニケーションを取れていますか?

⑤おわりに

皆さんにとって、何か1つでも新しい気付きはありましたか?
皆さんが楽しんで学ぶお手伝いが出来ていれば光栄です。
気に入りましたら、スキ、フォロー、コメントを頂けると嬉しいです。

最後に、Kindle本のご紹介です。

私がプレイングマネージャとして働く中で自身のタスクの管理に苦労しており、自分のために編み出したタスク管理術を紹介しています。

Kindle Unlimitedユーザは無料でお読みいただけます。

ぜひご覧ください。


"Management Tip of the Day"の購読は、下記サイトで申し込みできます。(無料)

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