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ココロを映し出す息づかい。
整体指導の目標のひとつが深い呼吸の誘導がある。
深い呼吸が現れてくればホメオスタシスが働いてくれるから。
深い呼吸とはお腹で息をしている状態のことを指します。
ココロが病んでいれば必ず呼吸は浅い。
呼吸が浅ければお腹を意識しにくい。
脳内では黒煙のようにもうもうと自動思考がたちこめている状態でもある。
役者が演技をする際に、この場面ではどんな呼吸をしているのか
呼吸を意図して役作りをしていくゲーリーオールドマンのような役者もいる。
それくらい呼吸は心身の在り方を如実に現わしてしまう。
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恋をしている時には恋をしている呼吸になっている。
ロシア演劇界の黒澤明のような存在の演出家のガレンデーエフ先生の前で
チェーホフの戯曲の1シーンを演じた時に
先生から何度も、何度も
アキトモには欲情がない!とダメ出しをされてしまった。
「ヨ・ク・ジョ・ウ!」
この男女を描いているシーンは欲情がないと成立しないんだ!
先生に指摘されたその時のぼくの呼吸は確かに欲情していなかった。
Youtubeの動画でとってもキュンとさせられる呼吸と出逢った。
まるでラブストーリーのワンシーンみたい。
売れる前の無名時代のお笑い芸人の追っかけに情熱を燃やしていた女性。
毎月、静岡から大阪に舞台を観に行って
洋服などを様々なものをプレゼントしていた相手。
その推しが売れてしまって、自分の世界から遠くに行ってしまった。
人生のある時期20代に最も情熱を注いでいた異性。
その喪失感と、でも未だに好きだってことが
言葉、息から伝わってきてしまう。
やっぱり息づかいにはココロが現れてしまう。