自分の手で作ること〜diary15
2024/11/19 Tue
今週末の漆喰塗りWSに向けて、居場所づくりメンバーが集まって、再度養生の作業。豪快に塗ってくれた子ども達。講師さんも、自由に子ども達が楽しんで体験してほしいというこちらの意図に賛同してくれる人で、特に細かな指示はしないし、「上手に、きれいに」とは一言も言わなかったもんだから尚のこと。想像以上に”豪快”になった。だからと言って、次回はもう少し「キレイに」と指示したいかと言うとそうではなく、子どもの心が自由でいられて、目の前の作業に熱中できることの方が優先。だから、今回は養生を入念に、柱を覆い、床も2重に保護する。
1時間ほどで終えて、打ち合わせがてらのおしゃべりタイム。どこか空き家ないかねーという話に盛り上がる。申請を出していた隣町の空き家活用プロジェクトは残念ながら不採択となったので、夏の間活動できる場所を引き続き探したい。もし非営利の活動でも維持可能な家賃で、自由に使わせてもらえるような場所があれば、学校に行きにくい子ども達の居場所にしたり、ワークショップを開催したり、色んなことができるねと夢が広がる。こんな話に共感してくれる人が、こんな身近にいるなんて。この出会いが宝物。
11/20 Wed
居場所オープンデイ。続々と常連チームがやってくる。今日は、常連さんの女の子が妹とお父さんを誘って一緒にやってきたり、いつもうちの周りで犬の散歩をしている男の子がわんこと一緒に寄ってくれたり。
犬がいる。これまでにない新しい要素が加わって、また新しい遊びが始まる。木登りする子もいれば、タイヤブランコに群がる子も。最初は遠慮気味に入ってきていた子も、だんだんとこの場所にも慣れ、動きも自由に大胆になってきて嬉しい。
場において、「子ども自身が文化を作る余地があること」「子どもに出番があること」。居場所づくり関連の書籍で読んだ言葉が頭に浮かぶ。この子ども同士の自由な遊びの創出が、この場所の文化として根付いていくと嬉しい。大人がたくさん与えなくても、そこにあるものと環境の中でいくらでも遊びは創り出せる。普段ゲーム大好きな男の子が、鬼ごっこの途中、足を挫いたとやってくる。でも、びっこひきながらでも戻ろうとする。
「やりたいねんもん」。
嬉しいな。この場が地域の中にあることで、週1回だけでも思いっきり自分の体を動かして、友達と過ごす時間が生まれる。たくさんの笑い声と笑顔。今日も最高の時間。
11/21 Thu
末娘の中耳炎が回復してきたと思ったら、三男が結膜炎になり朝から眼科へ。検査の結果、感染性の強い結膜炎ではないだろうということで、目薬をもらい学校へ。
この日は、夫会社の事務仕事の予定で、社員さんの年末調整の記入状況を確認しないといけないと思っていたんだけどな。子沢山の家は、なかなか予定通りにはことが運ばない。
11/22 Sat
この日は三男の参観。『名人さんに学ぼう』という時間で、地域のシニア世代の名人さんが色々教えてくれるというもの。三男は茶道をチョイス。なぜならお茶菓子が出るから笑。ちょうど隣の調理実習室では、次男が鍋を使ってお米を炊くという授業をしていた。使用するのは地元地域で生産されたお米のようで、これまた地域の農家さんが説明に来てくれているようだった。
『地域に開かれた学校』の実例とも言えるんだろう。地域の多様な専門性を持つ人が、学校の中に入り子ども達の先生になる。”コミュニティスクール”と呼ばれるものなのかもしれないけど、そんな横文字よりも、昔から地域の中にある「おらが村の子どもたちを大人みんなで育てよう」という文化の延長線上と理解する方がしっくりくる。この地域と学校との密接な関係性は、地方の学校ならではの良さかもしれない。
いつもの先生とは違う人から教わることに、子ども達も興味津々の様子。
11/24 Sun
子どもの居場所スペース、漆喰塗りワークショップ2日目。
今回の参加は10名。先週よりは高学年〜中学生が多い。先週の下地の上に、漆喰を塗る作業をする。最初にお手本を見せてくれる講師の大工さん。見て分かったつもりになっても、いざコテと板の動かし方を自分の体で再現しようと思うと、分からない。ん?となりながらも実際に塗って、コテの当て方や動かし方、力の入れ具合、自分の体の置き方を試行錯誤していく。すぐに夢中になる子どもたち。静かな集中に入る子もいれば、ご機嫌に歌いながら塗る子もいて面白い。
漆喰の上に一部、タイルで装飾もつけた。用意したのは小さな四角と葉っぱの形のタイル。葉っぱ型の方は小さな塊をいくつか作って、大きな木みたいにしたらいいんじゃない?なんて大人はイメージしていたけど、その通りになんてもちろんいかない。葉っぱタイルを手にした子どもたちが、「空に向かって伸びる木」「きのこ」「あじさい」とそれぞれにイメージを広げ貼り付けていく。それを制御するのもつまらない気がして、子どもたちに委ねることにした。ここは子ども達の場所だから。
この日は外遊びサークルの仲間が焚き火もしてくれていた。ちょうど急に北風が吹き始め、冬らしくなってきて、焚き火で作ってくれたスープとおぜんざい、そして焼き芋が最高に美味しい。
なかなか家を作ることに触れる機会はないもの。今や家は多くの人にとって買うものだ。でも、紛れもなく人の手が作ってる、自分の手でも作れる。そのことを子どもたちが感じられる時間になったなら嬉しい。