見出し画像

京都へ行こう❣【199】

今回は、宮内庁シリーズの第三弾。
『桂離宮』に行って来ました。
こちらには、四季を楽しむ『4つの茶屋』が
あります。

※17世紀初めから中頃までに、八条宮初代智仁親王と二代智忠親王によって造られたもので、
日本庭園として最高の名園といわれています。

阪急『桂駅』下車、徒歩約13分。
参観は有料で、1人1000円です。
往復はがきやインターネットで希望の3か月前から予約出来ますが、定員を超える申込みが
ある時は抽選になります。

私はこの抽選に何度も落ちました!
理由は、外国人枠に間違って申し込んだから。
外国人の方専用の英語案内の時間帯があるので注意して下さい。
※ 外国人枠(9:20  11:20  13:20  15:20  16:20)

受付で許可番号を見せた後、券売機前で別の方に身分証明書と許可番号を提示して、拝観料をお支払いします。首から下げる参観証とパンフレットをもらい、待合所へ。
12時スタートは、12人でした。

7月6日撮影

入ってすぐに、こちらのアーチ橋を渡ります。
両端には立派な苔✧*。

御幸道(みゆきみち)

アーチ橋から御幸門への道は、道幅の中央に
膨らみをもたせ、小石を敷き詰めています。
まるであられをまき散らかしたかのように小石を敷き並べることから、『あられこぼし』と呼ばれています。中央の膨らみは雨の日対策で、水たまりを防ぎます。

あられこぼし

御幸門(みゆきもん)

17世紀中頃に、後水尾上皇をお迎えするために造られた門ですが、18世紀に再建しています。
この門の柱にはコルク素材がとれるアベマキの皮付き丸太が使われていて、触らせてもらうとソフトな感触。これは、貴重な体験(*´艸`*)♡

表門

桂離宮の正門は、特別な時以外は閉じたまま。普段は別の門を使用しています。
桂離宮には、いろんな所に『遠近法』が使われていて、この表門に向かっていく道は細くなっています。

外腰掛に向かう道は、ゆるやかなS字にカーブしています。
苔の中にさりげなく置かれている飛び石の配列が見事で、その美しさに目を見張ります。

外腰掛

茶室『松琴亭』の待合いの外腰掛です。
腰掛の脇には雪隠(せっちん)が付いていて、中をチラッと見る事が出来ました。
こちらはおもてなしの気持ちを表すもので、
化粧直しに使われていました。
※雪隠とは、トイレのことです。

蘇鉄山

外腰掛の対面には、薩摩の島津家から献上された蘇鉄(そてつ)が植えられています。

延段

細長い切石と自然石との調和が見事な延段の
先には『洲浜』があります。
こちらの『延段』は、7種類の石で構成。
【花崗岩・チャート・溶結凝灰岩・緑色片岩・
アプライト花崗岩・砂岩・頁岩(けつがん)】

※延段とは、大小の自然石を使った石敷きで、美しさが特徴。こういう所に、客人をもてなす心遣いが感じられます。

松琴亭と洲浜

洲浜

水際を美しく魅せる技法の『洲浜』。
黒く扁平(へんぺい)な石を敷き詰め、
池に突き出した形になっています。
先端の灯籠を『岬の灯台』に見立て、
海を演出しています。

『白川橋』と『流れ手水』

松琴亭へはこの一枚橋を渡ります。
こちらは『白川橋』とも呼ばれています。
橋の手前にあるのが『流れ手水』。
池や川の中に役石を設置して、流水をそのまま使う蹲踞(つくばい)です。

こちらを『天の橋立』に見立てています。

右側中央が洲浜

茶室『松琴亭』(冬の茶屋)

写真に写っているのは、グループの最後から
付いて来られる皇宮警察の方です。
今回は、グループの後方で見てまわりました。

市松模様の襖

青と白の和紙が『市松模様』に貼り合わされた襖が斬新✧*。作庭家の重森三玲もかなり影響を受けましたが、こちらが元祖。

暖房のための石炉があります。上の棚に料理を入れて、冷めないようにしていたようです。

こちらは、トップ写真にするか悩んだ1枚。
結局、『市松模様』を全面アピール(*´艸`*)♡

ガイドさんおすすめのフォトスポット✧*。
右側にあるのが『天の橋立』に見立てた石橋。

桂離宮の橋は落ちないように、一人ずつ慎重に渡ります。

苔の中に置かれている飛び石の階段。
光の入り方が気に入った1枚。

茶室『松琴亭』

茶室『賞花亭』(夏の茶屋)

桂離宮の中で最も高い位置にあることから、
『峠の茶屋』とも呼ばれています。
茶室の連子窓(れんじまど)には、竹が用いられています。

左手前は手水鉢

園林堂(おんりんどう)

本瓦葺宝形造り屋根が特徴。
今は安置されているものはなく、建物だけが
残っています。

園林堂の前にはアーチ橋があります。

『園林堂』の扁額は、後水尾上皇の宸筆。

園林堂から見た笑意軒
園林堂とアーチ橋

茶室『笑意軒』(春の茶屋)

『6つの円窓』が印象的な茶室で、室内の装飾もかなり凝っています。

円窓はよく見ると、編み方が全て微妙に違っています。

腰壁にも注目!
金箔が斜めに貼られた斬新なデザイン✧*。

杉戸の引き手が『矢』の形になっています。
遊び心があるので、こういうの大好きです♡

こちらは襖の引き手が『櫂(かい)』になっています。小襖には『波』の模様。すぐ前に船着き場あるから、このデザインなのかも!

こちらは、わざと片方編み忘れたデザインなんだそうです。『自由な創意』に驚かされます。

『笑意軒』の船着き場に置かれているのは、
背の低い『三光灯籠』。
灯台と足元を照らす役割をしています。

工事中の書院

書院は建築順に古書院、中書院、新御殿と雁行形に並びます。屋根の葺き替えや漆喰壁の塗り替えのために、2023年秋まで工事中。
残念ながら『月見台』や『天下の三棚』である『桂棚』は見れませんでした。

茶室『月波楼』(秋の茶屋)

池に面して建つ『月波楼(げっぱろう)』は、月を見るための茶室。
昔の人は、月を見上げるのではなく、水面に
映る月を楽しんでいたそうです。

白楽天の西湖詩『月は波心に点じて一顆の珠』より『月波』と名付けられたそうです。
開放的な茶室からは『松琴亭』が見えます。

こちらは山の景色を楽しんでもらうための窓。

船底天井

船底をイメージして造られた天井が特徴的で、
天井を支えているように見える一本の木は、
支柱ではありません。
この木があることで『軽さ』を表現しているそうです。

膳組所水屋の下地窓

住吉の松

別名『衝立松(ついたてまつ)』とも呼ばれ、垣根と松でお庭全体を見せないようにしています。こちらで60分のツアーは終了。

いかがでしたか?
約50年の歳月を費やして完成した桂離宮は、『月を愛でるための庭園』でした。
こだわりのある4つの茶室をはじめ、道幅の
広さや飛び石の並べ方にも工夫があります。

書院の工事もこの秋には終了します。
美しい紅葉が見れる秋は一番人気なので、
予約してから行かれる事をおすすめします。