異国の地で言葉が通じること
海外旅行で楽しいことと言えば、初めて食べる料理や、写真でしか知らなかった建物や自然を実際に見られることでしょう。でも、それ以上に私が幸せを感じるのは、異国の地で言葉が通じることです。
私が初めて海外に行ったのは中学3年生の時。学校のスタディツアーに申し込んで韓国に行ったのが最初の海外旅行でした。
事前に習った韓国語が通じた時、たどたどしい英語で何とか意思疎通ができた時、日本語を理解してもらえた時、私は何度、ほっと嬉しい気持ちを味わったことでしょう。
ホテルのエレベーターで「日本人ですか?」と声をかけられ、「そうです」と答えると、「日本語の数字分かりますよ!」とエレベーターの階を一生懸命日本語で言ってくれた方もいました。
ただ日本語の数字を言っているだけかもしれませんが、私が話す言語を相手も理解している部分があるのだと分かった時、急に距離が近くなったような気がしました。
また、昨年(2023年)の12月にドイツに行った時。4年間勉強してきたドイツ語が使われ、話されている国にとうとう行けたことは、本当に大きな喜びでした。
ドイツではクリスマスマーケット巡りをしていたのですが、お店で何かを注文するたび、「わ~、通じた!」と、ドイツ語を勉強し始めた大学1年生の頃のように心が躍ったのを覚えています。「これで合ってる?」と首をかしげながらクラスメイトたちとドイツ語の会話を練習していた時の成果がやっと出たと思ったのです。
翻訳アプリを使えば簡単に済むようなやり取りだとしても、何とか現地の言葉で話したり、英語を使ったりして”話が通じる”ことは、人を幸せにしてくれるように思います。
日本で英語やドイツ語で人に話しかけても、怪訝な顔をされるでしょう。でも、異国の地では、そうはなりません。日本では役に立たない言語が役に立つ場所に行くことは、人生を少し豊かにしてくれる気がするのです。
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この作品は、アドベントエッセイです。クリスマスまでの24日間をワクワク過ごしてほしい、という思いから、「24年の人生で見つけた、24の幸せ」をテーマに毎日1本ずつエッセイを書いています。
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