![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86616191/rectangle_large_type_2_12600c1089b3ca18499a3e2f71dc1555.jpg?width=1200)
シャリキン・キンミヤ・キンマル酒場
あれは3年前の4月、上野の国立西洋美術館で開催していたコルビジェ展に君をデートに誘ったんだよね。
一緒に恵比寿から日比谷線で上野駅に向かったよね。美術館に向かう途中、君は、新社会人のころの話をたくさんしてくれたね。仕事が忙しくて寝不足で運転していたこと、家に泥棒に入られてバッグを盗まれたこと、学生時代イベントでのバイトをしていたこと、携帯を親に山に捨てられたこと。
とても素敵で、とても滅茶苦茶で、とても真っすぐで、それでいてすごく波長が合う不思議な女性だなって感じたんだ。
コルビジェ展もとても楽しかったけど、僕は、あの日の最後に見たジョアン・ミロの絵に強い衝撃を受けたのを憶えている。君も憶えているかな?
その後、適当に見つけた居酒屋「酔ってけ場 キンマル酒場」が、その後の僕らの大好きなお店になった。
全くオシャレでもない、いわゆるセンベロ酒場なんだけれども、そこにいたお客さんがみんな楽しそうで、チープな椅子、チープなメニューも懐かしく、何か完璧なテーマパークに迷い込んだようだった。
君はガリが入ったガリ酎を頼んだよね。鮮やかなピンク色がとても新鮮で、君がそれを飲む姿はとても美しかった。
シャリキンをトライしたのは、この時だっけ?2回目だっけ?
初めて行った日は少し肌寒かったから、もしかしたら2回目の時かもしれないけど、このお店で知ったシャリキンも僕らのお気に入りになったよね。
凍らせたキンミヤ焼酎のシェイクに、梅シロップの組み合わせ。僕たち大好きだったよね。
僕たちにとっては、キンミヤのラベルの色は、Tiffany Blueではなくて、Kimmiya Blueだったもんね。
この日、僕は君に恋をした。
君とずっと一緒にいたい、もっと長い時間話をしたい、手を繋ぎたい。そういう気持ちが溢れて止まらなくなった。
今、このお店はコロナの影響で休業中のままだけど、また、君とこのお店でピンク色のガリ酎を飲みたいんだ。
僕はまだ君に恋をしている。
(君とのデートまで後40日)
酔ってけ場 キンマル酒場
場所: 東京都台東区東上野3-15-10
URL: https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13187779/