マガジンのカバー画像

短歌×随想

4
エッセイというほど大層なものでもなく。 日記のような雑記のような。
運営しているクリエイター

#現代短歌

J研 〈短歌×随想〉

 という単語に青春時代を思い出す人はどのくらいいるだろうか。

 先日、部屋の片付けをした。昔の懐かしいものに思いを馳せ、なかなか作業が進まないというお決まりの展開であったが、片付けの終盤に、なんとなく初代携帯電話の電源を入れてみた。

 この携帯電話を使っていた当時は着メロ(着うた)全盛期だったと思う。
当時はパケット通信料を気にしながらのケータイライフで、動画サイトなどはもってのほかであったか

もっとみる

大人になりたかった〈短歌×随想〉

 子供の頃、職員室が好きだった。

 コーヒーのにおい、仕事をしているという雰囲気、先生同士が「同僚」としてふざけあっている様子。
 常にスーツ、逆にいつもジャージ、上だけジャージを羽織るなど、先生それぞれのスタイルの過ごし方や、机に乗っているお菓子や私物を見るのが好きだった。

 思えばコーヒーが飲めない頃からコーヒーの香りは好きだった。幼稚園児の頃、親が役員をやることになり、会合などに連れてこ

もっとみる

しなくてもよいこと〈短歌×随想〉

 ヤフーニュースに、養老孟司さんの記事が載っていた。愛猫「まる」の死について思いを馳せ、語られた記事である。
 「まる」の生前、養老さんは(おそらく寝ているであろう「まる」に気を遣い)音を立てないで縁側のそばを歩くようにしていたところ、今でもつい、まるが生きている感覚が抜けずに同じようにしてしまい、もうそんなことをしなくてもよいと気づいたとき、寂しくなるのだそう。

 私も同じことを感じたことがあ

もっとみる