J研 〈短歌×随想〉
という単語に青春時代を思い出す人はどのくらいいるだろうか。
先日、部屋の片付けをした。昔の懐かしいものに思いを馳せ、なかなか作業が進まないというお決まりの展開であったが、片付けの終盤に、なんとなく初代携帯電話の電源を入れてみた。
この携帯電話を使っていた当時は着メロ(着うた)全盛期だったと思う。
当時はパケット通信料を気にしながらのケータイライフで、動画サイトなどはもってのほかであったから、音楽を楽しむのは主に着メロや着うただった。
しかし、1曲フルでダウンロードするには400円くらい課金するため、本当に好きな曲を厳選する必要があった。
J研は、そんな若者たちの味方であった。
うたではなくメロディーだが、クリエイターが編集した当時の流行曲や、季節のイベントの定番曲、また、オリジナルの曲を定額(オリジナル曲は無料)でダウンロードすることができた(と思う。記憶が曖昧なのだが、Wikipediaで見ると月額330円とのことだった)。
和音もかなりの音数で、ドラムやパーカッション系の音、メロディーのハモりもしっかり再現されており、歌が入っていなくても十分に楽しめた(というか、音が好きだったので、歌入りとは違う魅力で楽しんでいた)。
また、オリジナル曲もとてもレベルの高いものが多く、気に入った曲をいくつもダウンロードしてバイトの行き帰りに聴いていた。
この端末に残っている曲を聴くたびに当時の思い出がよみがえる。
そんな、音楽に目覚めた若者世代にたくさんの曲を提供してくれたJ研も3月でサービスを終えてしまうらしい。
久しぶりにサイトを見て、まだ存続していたことにも驚いたが、3月で終了してしまうというお知らせを見てショックを受けた。
社会人になってからもしばらく利用していたと思うが、YouTubeなどの広まりと同時にいつの間にか解約してしまい、だんだんと着メロの存在も記憶から薄れてしまっていた。
そんなわけで、収益低下の一端を担ってしまっていたのだから、今の私にサービス終了を残念がる資格はないのかもしれないが、青春時代とともにあったサイトがなくなってしまうのは悲しいものだ。
しかし、J研のおかげで色々な音楽を聴くことができ、長い間楽しませてもらった。
改めて、運営してくれた方、投稿してくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいである。
音楽が好きな心を潤してくれた
あの日のあの電子音