『音を大きくする本』をまとめ&レビュー
DTMerやボカロPが読むべき本をまとめ&レビューしています。
今回は「ミキシング」がテーマの本をまとめ&レビューしました!
これらの悩みを解消してくれる本です。表紙の見た目は、教科書みたいなゴツさがありますが、112ページと薄くてサイズも小さいので軽くさらっと読めます。コンプやリミッターなどの説明も多くエフェクタ入門としても取っつきやすいです!
それでは、本のまとめ&レビューをしていきます。
第1章 小結級 2mixにコンプをかける
*第1章は、音を大きくする基本であるコンプレッサーとリミッターによる音圧上げについて説明しています。まずは、2mix音源に対してコンプとリミッターを使ってみることで、これらの使用方法を学んでいきます。(by note作成者)
◆コンプレッサー/リミッターで音圧を上げる
コンプで音圧を上げるということは、不自然な音が増える要素を増やすということであり、音圧と音の自然さのバランスを取りながら調整していく必要があります。
1.コンプのパラメータを設定する。音に不自然さがなくなるまで、パラメータを調整する。以下のパラメータは、一例です。
・『スレッショルド』は、小さい音と大きい音の境目のことで、コンプレッサーを適用する閾値のことです。
・『アタック』は、スレッショルドを超えてすぐに圧縮をはじめるのか、それとも少し間を取ってから圧縮するかを決めるパラメータです。"音圧を上げる"という観点からするとなるべく小さい値(Minimum)にするほうが良いです。特に、打楽器系の音は、最初の瞬間が大きいので、少し間をおいてから圧縮をはじめると大きい音を取りこぼしてしまうからです。
・『レシオ』は、どのくらい圧縮するかというパラメータです。
・『リリース』は、スレッショルドを超えたあとにコンプレッサーの働きを解除するまでの時間です。
・『ゲイン』は、圧縮した状態から音圧をどれだけあげるかを決めるパラメータです。
2.コンプレッサーの処置が完了したら、リミッターをかける。
リミッターは、コンプレッサーのレシオが『∞』と同じ意味です。つまり、リミッターはスレッショルドを0dBとした場合、0dBを超えないように、音を圧縮することを意味します。リミッターは音が歪まない範囲で音圧を上げていくのが肝要です。
第2章 関脇級 2mixにイコライザー/コンプをかける
*第2章では、主にイコライザーの使い方を学びます。イコライザー調整をしたら、その後にコンプをかけていきます。この章でも2mix音源に対して実施していきます。(by note作成者)
◆イコライザーに関する注意点
1.超低音域に関すること。
2.中音域に関すること。/3.高音域に関すること。
第3章 大関級 バラ録し、各パートにエフェクターをかける
*第3章では、各トラックについて楽器ごとに音圧をあげていく方法を学びます。基本的には、
「①イコライザ(EQ) →②リミッター →③コンプ →④リミッタ」
の順番で音圧を上げていきます。特に、学ぶべきは、EQのカットする周波数についてです。(by note作成者)
◆ バスドラムの音圧上げ
注:アタック部分を取りこぼした場合、さらにコンプをかける。例として、バスドラムのトラックをもう一つ用意して、トラックの発音タイミングを少しシフトし、コンプのコントロールシグナルを手前にずらしてトラックアウトする。
◆ ベースの音圧上げ
◆ スネアの音圧上げ
◆ ハイハット(金物系)の音圧上げ
(参考)金物系のpanについて
◆ ピアノの音圧上げ
◆ パットの音圧上げ
◆ ストリングスの音圧上げ
◆ ギターの音圧上げ
◆ マスタートラックの音圧上げ
『関脇級』の2mixと同じ要領で実施する。
第4章 横綱級 アレンジを見直す
◆読書感想◆
いかがでしたか?
この本の特徴を一言でいうと、EQ、コンプ、リミッターの使い方入門です。各エフェクタの使い方を学ぶという点では非常に有意義な本となります。
この本は、何より目的がはっきりとしています。ずばり、『音圧を上げること』に特化しています。この目的に合致していれば、かなり役に立ちます!また、1章から4章に向かって、ステップ・バイ・ステップで話を進めてくれているので、理解がしやすいです。
ただ、残念な点がVintage Warmerというソフトを軸に話をしているので、持っていない人は困惑してしまいます。あとは、コンプの設定がちょっと効きすぎています。
『音圧を上げる』という目的で言えばいいのですが、音の質感が変わってしまっては、本末転倒感があります。コンプの設定は、アレンジが必要です。
あともう一つの残念なのが、ボーカルの記述がないことです。私としては、1番重要な項目と考えています。
ただ、私はこの『音を大きくする本』と『音圧アップのためのDTMミキシング入門講座』を読んだおかげで、音圧爆上げくんを使用する必要がなくなりました!笑
ミックスに興味がある人だけでなく、DTMerにとって必見の内容です。ぜひ、皆さんも読んでみてください!
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